斜子なゝこ)” の例文
一トことこゝろまることのあれば跡先あとさき其者そのもの可愛かわゆう、車夫しやふ茂助もすけ一人子ひとりこ與太郎よたらうに、此新年このはる旦那だんなさまめしおろしの斜子なゝこ羽織はをりつかはされしもふかくの理由わけことなり
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
自分の左の指にめた認印のり込んである太い指輪を外して見せたり、帶の間から脱け落ちさうになつてゐた、兩蓋に斜子なゝこを切つた虎屋の最中のやうな大きな金時計を出して見せたりした。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)