落魄らくたく)” の例文
しほは落魄らくたくして江戸に来て、木挽町こびきちょうの芸者になり、ちとの財を得て業をめ、新堀しんぼりに住んでいたそうである。榛軒が娶ったのはこの時の事である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
これは当時三十一歳であった枳園には、もう幾人いくたりかの門人があって、そのうちに相模の人がいたのをたよって逃げたのである。この落魄らくたく中のくわしい経歴は、わたくしにはわからない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)