“おちぶ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
零落57.7%
落魄42.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
若いし——縹緻きりょうは優れているし——それに世間れていないので、零落おちぶれてもまだ多分に、五百石取の若奥様だった香いがほのかである。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日に日に悲しいことばかり、とうとう人外の夜鷹とまで零落おちぶれましてござりますが、いまだに海賊の名も知らず残念に存じて居りまする
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「俺の身元はちまたのベッガーでね、」すると賢夫人も気さくに笑って「えゝ/\また落魄おちぶれたらいつでも二人でおこもを着て門に立ちますよ」
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
壱岐殿坂の中途を左へ真砂町まさごちょうへ上るダラダラ坂を登り切った左側の路次裏の何とかいう下宿へ移ってから緑雨はにわか落魄おちぶれた。
斎藤緑雨 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)