“やじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヤジ
語句割合
弥次56.5%
野次23.9%
6.5%
彌次4.3%
4.3%
谷地2.2%
野地2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何か弥次やじが飛んだようだけれど、はっきり聞えない。向うの方で、麦酒瓶がくだける音がした。そして、雑然たる合唱がはじまった。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
若い見物たち、ことに学生や商店員たちは、得たりかしこしと、このお面を利用し、そのかげに顔を隠して、舞台の踊子を、思う存分野次やじり飛ばした。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
『おやじ! 早やうほそびき(麻繩)持つておいで、こいつ縛り上げてやるね、少し此奴のぼせ上つてけつかるから、懲しめてやらないかん』
さかしたは、左右さいう植木屋うゑきや屋外をくぐわい足場あしばまうけ、半纏着はんてんぎ若衆わかもの蛛手くもでからんで、造菊つくりぎく支度最中したくさいちうなりけり。く/\フと古道具屋ふるだうぐやまへつ。彌次やじいはく、茶棚ちやだなはあんなのがいな。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
家といったってどうせ荒家ぼろうちで、二間かそこいらの薄暗い中に、おやじもおふくろ小穢こぎたねえ恰好してくすぶってたに違いねえんだが……でも秋から先、ちょうど今ごろのような夜の永い晩だ、焼栗でもきながら
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
農民一「いいえ、おりゃのあそごぁひでえ谷地やじで、なんぼひでりでも土ぽさぽさづぐなるづごとのなぃどごだます。」
植物医師:郷土喜劇 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
小作料があまり酷なために、村の人が誰も手をつけない石ころだらけの「野地やじ」を余分に耕やしていた。そこから少しでもさくをあげて、暮しのたしにしようとしたのである。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)