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彌次
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やじ
私は、
安直な
卷莨を
吹かしながら、
夜番の
相番と、おなじ
夜の
彌次たちに
此の
話をした。
出ますよ、さあ
早く/\。
彌次舷端にしがみついてしやがむ。
北八悠然とパイレートをくゆらす。
乘合十四五人、
最後に
腕車を
乘せる。
船少し
右へ
傾く、はツと
思ふと
少し
蒼くなる。
わツといつて
駈け
拔けて、
後をも
見ずに
五六町、
彌次さん、
北八、と
顏を
見合はせ、
互に
無事を
祝し
合ひ、まあ、ともかくも
橋を
越さう、
腹も
丁度北山だ、
筑波おろしも
寒うなつたと