“とと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
60.9%
23.9%
4.3%
4.3%
2.2%
2.2%
調2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「わたしが奉公するとなれば、ととさまの御勘気もるる。殿に願うて良い医師くすしを頼むことも出来る。なんのそれが不孝であろうぞ」
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あるいはととの代りに「海老えび食うて」という者もあるようだが、いずれにしたところで父母の命日に、そんな物を食べる人は昔は一人もいなかった。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
要するに世間から云えば、僕らのうちほど静かにととのった家庭は滅多めったに見当らなかったのである。あのくらいひとの悪口を露骨にいう松本の叔父でさえ、今だにそう認めて間違まちがいないものと信じ切っている。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二の烏 生命いのちがけでものを食つて、一分いちぶんが立つと思ふか、高蒔絵たかまきえのおととを待て。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
鳴くまでは白霊パイリンかご手に据ゑてととぞ居りける春のひねもす
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
春なれや苦力クリーととみて十尺とさか煙管きせる吸ひくゆらかに
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
堂々と、金五郎を嘲笑し、ととめを刺しに来たのかと思った。子分を十四五人も引き具している。ところが、ギンは、ひたすらに、弁明につとめるばかりだ。ふるえてさえいる。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
額縁の中の絵のやうに調ととのひすぎたきらひはありますけど
狼園 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)