とと)” の例文
やっと次郎吉は雑魚ざこととまじりながらに、師匠の描いた絵草紙の下図へ絵の具を施すくらいのことはできるようになってきた。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
あるいはととの代りに「海老えび食うて」という者もあるようだが、いずれにしたところで父母の命日に、そんな物を食べる人は昔は一人もいなかった。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
もし彼女等のあいだに謂ゆる『うわき』をするというようなことがあったとしても、それはごく内密に行われたので、事実は、少しも外部に漏れず、相変らず猫ととくわぬ顔で澄ましていた。
「さあね、大して善人じゃあねえ。だがこいつもご時世のためだ。こんな事でもしなかったら、酒も飲めず、ととも食えず、美婦たぼ自由ままにゃあ出来ねえってものよ。恨むなら田沼様を恨むがいい」
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
山越やまごえよ五浦少女、日中ひなかより影をつづりて、もてなしと我にまゐると、とと、瓶子かかへ、五器そろへ、お膳持て来る。一閑張・筆・墨・硯、さて紙帳、くくり枕や、夜のものとふすま持てる。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
親の逮夜にとと食うて、そんでエ背が低い。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
南条長田なんじょうおさだとと買いに……
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
少女どち中に寝よちふうれしくてまじり寝にけりととよと云ひて
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
南条長田おさだとと買いに……
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
親の逮夜たいやとと食うて
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
南条おさだへとと買いに
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「鮭いうととや。」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
ととて何なら?」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「鮭というととや」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)