“飛魚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とびうお71.4%
とびうを14.3%
とび7.1%
ひぎょ7.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まぐろの中で一番不味まずいのは、鬢長びんながという飛魚とびうおのような長いひれを備えているもので、その形によって鬢長というらしい。
鮪を食う話 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
声と声とがもう火を発しているのだ。一学の左の手にあった小剣は、言葉のもとに、飛魚とびうおのように手を離れて、安兵衛の胸いたへ走ってくる。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「だって、お父さま。海には、かもめだの、飛魚とびうおはいても、猫だの、鼠だのはいないでしょう。お父さまたちのお話は、ずいぶんおかしいのね」
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
若者の身のまわりには白い泡がきらきらと光って、水を切った手がれたまま飛魚とびうおが飛ぶように海の上に現われたり隠れたりします。
溺れかけた兄妹 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
彼の心はかえりの船旅に通過した赤道の方へも行き、無数な飛魚とびうおの群れ飛ぶ大西洋の波の上へも行った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
大洋の波濤のうねり、夕陽ゆふひの光芒のなかをよぎる飛魚とびうをの群、遠ざかる港の夜の灯、水平線上に浮ぶ島々の陰翳、すべてこれ夢と云つてもよかつた。
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
百人一首ひやくにんいつしゆのおぢやうさんの、「いくののみち」もそれか、と辿たどつて、はる/″\と城崎きのさきで、佐渡さどおきふねんで、キラリと飛魚とびうを刎出はねだしたから、きたなくもおびやかされたのである。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
レンジの上には、いつも排気用の電気扇が廻っているので、鮫や、飛魚とびや、秋刀魚さんまや、悪臭をたてる下等な魚を煮焼きしても、近所隣家に気どられずにすむ便宜がある。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
キラキラと風を縫って、飛魚ひぎょのごとく飛んだかと見るまに、今しも、かどをそれようとした、お綱の真白いかかとのあたりへ——。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)