“麦笛”の読み方と例文
読み方割合
むぎぶえ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
農家の垣には梨の花と八重桜、畠には豌豆えんどう蚕豆そらまめ麦笛むぎぶえを鳴らす音が時々聞こえて、つばめが街道を斜めにるように飛びちがった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
四辺あたりさびしいので、色々な物音が耳に響く。ひなびて長閑のどかな鶏の声。あらゆる鳥の音。子供の麦笛むぎぶえ。うなりをうって吹く二百十日の風。おとなくして声ある春の雨。音なく声なき雪の緘黙しじま
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
其れにび出される様に、むぎがつい/\と伸びてに出る。子供がぴいーッと吹く麦笛むぎぶえに、武蔵野の日は永くなる。三寸になった玉川のあゆが、密漁者の手からそっと旦那の勝手に運ばれる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)