“ととの”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トトノ
語句割合
調63.8%
23.8%
3.8%
2.1%
1.3%
準備0.9%
0.9%
0.4%
均整0.4%
0.4%
完成0.4%
整調0.4%
直整0.4%
調整0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
秋の水の面、黄金色の葦、その周囲に紅葉した桜の枝と、遠く沈んだ緑色の杉叢、軽い、水彩画風の陵丘の姿が、調ととのった遠景となる。
準備をととのえていさえすればいかに卑近ひきんな教えでも、いかに些末さまつな忠告でも、必ずこれを受け取って発芽はつがして、花咲かせて実るものと思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
自分の一身を修め自分の一家をととのえる事も出来ない人が一国の政治を論議するなんぞとおおきな顔をしているし
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
用意洩れなくととのえて待ち受けていべきはずの与惣次が——? 小太郎は首を捻って、勘次ともどもまた激しく戸を打ったが、何のいらえもない。
それより共に手伝ひつつ、はじの弓に鬼蔦おにづたつるをかけ、生竹なまだけく削りて矢となし、用意やがてととのひける。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
「何からなにまで、法どおりに準備ととのえおったらしいぞ。」
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ことがととのわなくて、再びあなたにそむくようなことがあってはと思います。私は先ず魂を以てむくいたいと思います。」
連城 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
二氣の正しきに乘り、五行のつぎてととのへ、あやしき理をけてひとすすめ、すぐれたるのりを敷きて國を弘めたまひき。
いろと水齒別みづはわけの命、多治比たぢひ柴垣しばかきの宮にましまして、天の下治らしめしき。天皇、御身みみたけ九尺二寸半ここのさかまりふたきいつきだ。御齒の長さ一、廣さ二きだ。上下等しくととのひて、既に珠をけるが如くなりき。
そうしてその身軽そうな均整ととのった身体からだつきは
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
友三郎さんが何食わぬ顔で西川家の店先へ現れた時は手筈が万端ととのっていたのだった。その次の日曜に伯父さんは
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
最後にそのすべてを完成ととのえるように、どうやら老犬らしい奴のバスが、こいつは犬としてもよほど声量をたっぷり恵まれているらしく、音楽会が最高潮に達したおりの
詩の対像たいぞうには持って来いだ。これほど整調ととのった肉体は欧羅巴ヨーロッパ婦人にもないだろう。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
呼吸いきたゆげに途絶え途絶え、隙間をれて聞ゆるにぞ、お通は居坐いずまい直整ととのえて、畳に両手をつかえつつ、行儀正しく聞きいたる、せな打ふるえ、髪ゆらぎぬ。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
調整ととのえるに、他意のない折である。兵を多くよこせば、失費も多い。そこで非難は浴びても、費用を
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
故に前年はゆませて天下の神宮をととのへ、去歳こぞあまねく天下をして釈迦牟尼仏しやかむにぶつの尊像高一丈六尺なるもの各一鋪いちふを造り並に大般若経一部を写さ令めき。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)