“そろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ソロ
語句割合
88.5%
8.3%
麁鹵0.6%
0.5%
0.3%
粗鹵0.3%
調0.3%
0.3%
0.2%
二人揃0.2%
0.2%
0.2%
脚揃0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みんな同年配の若者たちだから、こういういさましい行動には誘われやすい、きらっと刀が光ったとたんに、みんなそろって抜刀した。
雪の上の霜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
仲介者はカイアヹエ君に手紙を送り「貴下が不名誉なりとせらるる所は我等の最早もはや立入るべからざる所にそろ」と云つてその任を辞した。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
時はもう明末にかゝり、万事不束で、人も満足なものも無かつたので、一厨役の少し麁鹵そろなものに其鼎を蔵した管龠くわんやくを扱はせたので、其男があやまつて其の贋鼎の一足を折つて仕舞つた。
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
たとへ何のやうな貧苦の中でも二人そろつて育てる子は長者の暮しといひまする、別れれば片親、何につけても不憫なは此子とお思ひなさらぬか、あゝはらわたが腐た人は子の可愛さも分りはすまい
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此方は遇然にもそろつた初段級の腕達者ぞろひであつたから、彼等にひけをとつた験はなかつた。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
吾人は嘗て彼の原稿なるものを見しことあり、其改刪かいさんの処は必ず墨黒々と塗抹とまつしてけづりたる字躰の毫も見えざる様にし、絶えて尋常書生の粗鹵そろなるが如くならず。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
ふん一時いつときと、此方こつち呼吸いきをもめてますあひだ——で、あま調そろつた顏容かほだちといひ、はたしてこれ白像彩塑はくざうさいそで、ことか、仔細しさいあつて、べう本尊ほんぞんなのであらう、とおもつたのです。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つるぎつゑに。松陰まつかげの。いはほさゝへて。吐息といきつく。時哉をりしも見ゆる。若武者わかむしやは。そもいくさの。使つかひかや。ればころもの。美麗うるはしさ。新郎はなむことかも。あやまたる。其鬚髯そのほうひげの。新剃にひそりは。秋田あきたを刈れる。刈稻かりしねの。そろへるさまに。
「西周哲学著作集」序 (旧字旧仮名) / 井上哲次郎(著)
何とかいふ豪い大小説家が自作の末に代作の広告をしてゐたさうだが、そろ/\其変遷の兆が見えるらしいやうだノ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
何にしても権力推移の時代でそろ/\我々の天下となる。目腐れ高等官が何だ。大学の腐れ学士が何だ。と先生意気揚々として早速凱旋将軍のやうな気でゐた。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
「丁度ここに同じような人間が二人揃そろったというものです」と榊は三吉と正太の顔を見比べた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
パツとそろへそれてぶ。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これを上等にしますとプデンの出来た時一旦いったんテンピから出してジャムをその上へ一面に塗って泡立てた白身を引筒ひきづつから絞り出して飾りをそろえた上またテンピの中で二、三分間焼きます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「さあ、いゝが。落すな。瓶の脚揃そろぇでげ。」なんて云ひながら、それを一本づつ渡します。
葡萄水 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)