麁鹵そろ)” の例文
かつその客観を写す処極めて麁鹵そろにして精細ならず。例へば絵画の輪郭ばかりを描きて全部はる者の想像に任すが如し。全体を現さんとして一部を描くは作者の主観に出づ。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
時はもう明末にかゝり、万事不束で、人も満足なものも無かつたので、一厨役の少し麁鹵そろなものに其鼎を蔵した管龠くわんやくを扱はせたので、其男があやまつて其の贋鼎の一足を折つて仕舞つた。
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
かつその客観を写すところきわめて麁鹵そろにして精細ならず。例えば絵画の輪郭ばかりを描きて全部はる者の想像に任すがごとし。全体を現わさんとして一部を描くは作者の主観にづ。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
時はもう明末にかかり、万事不束ふつつかで、人も満足なものもなかったので、一厨役いちちゅうやくの少し麁鹵そろなものにその鼎を蔵した管龠かんやくを扱わせたので、その男があやまってその贋鼎の一足ひとあしを折ってしまった。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)