トップ
>
爺
>
おやぢ
ふりがな文庫
“
爺
(
おやぢ
)” の例文
「酒は好きだが、勝負事は嫌ひだつたさうで、多分大きな仕事でも
請負
(
うけお
)
つて、手金が
入
(
はひ
)
る話だらう、つて居酒屋の
爺
(
おやぢ
)
は言つてましたが」
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
顔を白く塗つて耳かくしにしてゐる女給の二三人もあるカフエーだの、肥つた
爺
(
おやぢ
)
のゐる薬屋だの、八百屋だの、蕎麦屋だの、鮨屋だのが
混雑
(
ごた/\
)
と……。
くづれた土手
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
『そだつてお前、
過般
(
こねえだ
)
も下田の千太
爺
(
おやぢ
)
の
宅
(
どこ
)
で、巡査に
踏込
(
ふんご
)
まれて
四人許
(
よつたりばか
)
り
捕縛
(
おせえ
)
られた風だし、俺ア
真
(
ほん
)
に
心配
(
しんぺえ
)
で……』
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「カアネギーの
爺
(
おやぢ
)
め、肉饅頭を半分食つただけで、すつかり新時代の資本家になりすましてしまつた。」つて——。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
案内者
(
ガイド
)
のメラデイイン
爺
(
おやぢ
)
が望む
儘
(
まゝ
)
に滿谷等は彼を写生し、三浦工学士と僕とは彼の手帳へ証明を与へてやつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
蚊遣香のにほひが、またひとしきり強く漂つてきた時、窓の外で、何やらこと/\と不祥事を予感せしめるやうな音が伝はり、さきの齢老いた
爺
(
おやぢ
)
とおぼしい声で
薄暮の貌
(新字旧仮名)
/
飯田蛇笏
(著)
其
(
そり
)
や僕も、
爺
(
おやぢ
)
の
脛
(
すね
)
を食ひ荒して、
斯様
(
こん
)
探偵にまで成り下つたんだから、随分
惨酷
(
ざんこく
)
なことも平気で
行
(
や
)
つて来たんですが、——篠田には実に驚いたのです、社会党なんぞ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
續
(
つゞ
)
いて
引掛
(
ひつかゝ
)
つたのが
同
(
おな
)
じ
家
(
いへ
)
の
子守兒
(
こもりつこ
)
で
二人
(
ふたり
)
、三
人目
(
にんめ
)
は
部屋頭
(
へやがしら
)
何
(
なん
)
とか
云
(
い
)
ふ
爺
(
おやぢ
)
の
女房
(
にようばう
)
であつた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
町内
(
ちやうない
)
に二十
年
(
ねん
)
も
住
(
す
)
んでゐる
八百屋
(
やほや
)
の
爺
(
おやぢ
)
が
勝手口
(
かつてぐち
)
でわざ/\
説明
(
せつめい
)
して
呉
(
く
)
れた
事
(
こと
)
がある。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
耄碌頭巾に首をつゝみて其上に雨を凌がむ
準備
(
ようい
)
の竹の皮笠引被り、
鳶子
(
とんび
)
合羽に胴締して手ごろの杖持ち、
恐怖
(
こは/″\
)
ながら烈風強雨の中を駈け抜けたる七藏
爺
(
おやぢ
)
、やうやく十兵衞が家にいたれば
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
菊枝 やれやれ、
爺
(
おやぢ
)
さま。久しう待たしておぢやつたなあ。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
一人の
爺
(
おやぢ
)
チヤルメラを吹き
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
と
爺
(
おやぢ
)
は言つて、『
何
(
ど
)
うも一人で
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も致すで、草がぢきに
生
(
は
)
えて困りますばい。二三日鎌さ入れねえとかうでがんすばい』と、
傍
(
そば
)
に青くなつた草を
指
(
ゆびさ
)
した。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
平次は八五郎に眼配せして、蕎麥屋の
爺
(
おやぢ
)
に別れると、そのまゝ左衞門河岸の方へ向つたのです。
銭形平次捕物控:263 死の踊り子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
便所
(
はばかり
)
へ行く時小使室の前を通ると、昨日まで居た筈の、横着者の
爺
(
おやぢ
)
でなく、
予
(
かね
)
て噂のあつた如く代へられたと見えて、三十五六の小造りの男が頻りに洋燈掃除をして居た。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
帽子掛のある
室
(
へや
)
には、
齢
(
とし
)
を取つた黒ん坊の
爺
(
おやぢ
)
さんが一人立つてゐて、来る人の来る人の帽子を、おいそれと無造作に預かつてくれた。お客のなかには相手が
老人
(
としより
)
なのを気遣つて
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
否
(
い
)
な、彼の
今日
(
こんにち
)
来ないと云ふのが、彼の我党たる証拠だよ、彼は
爺
(
おやぢ
)
の非義非道を
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「はあ、
嘘
(
うそ
)
は
言
(
い
)
ふまい、
此
(
こ
)
の
馬鹿野郎
(
ばかやらう
)
。
汝
(
きさま
)
の
爺
(
おやぢ
)
と、
己
(
おれ
)
は
兄弟分
(
きやうだいぶん
)
だぞ。これ。」
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其時
(
そのとき
)
宗助
(
そうすけ
)
はだつて
根
(
ね
)
が
殘
(
のこ
)
つてゐれば、
又
(
また
)
竹
(
たけ
)
が
生
(
は
)
えて
藪
(
やぶ
)
になりさうなものぢやないかと
聞
(
き
)
き
返
(
かへ
)
して
見
(
み
)
た。すると
爺
(
おやぢ
)
は、それがね、あゝ
切
(
き
)
り
開
(
ひら
)
かれて
見
(
み
)
ると、さう
甘
(
うま
)
く
行
(
ゆ
)
くもんぢやありませんよ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
隣の
爺
(
おやぢ
)
には、
性根
(
しやうね
)
がある。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
爺
(
おやぢ
)
さまいのう。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
心太
(
ところてん
)
を
桶
(
をけ
)
に冷めたさうに冷して売つてゐる店、赤い旗の立つてゐる店、そこにゐる
爺
(
おやぢ
)
の半ば
裸体
(
はだか
)
になつた姿、をりをりけたゝましい音を立てて通つて行く自動車
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「二日二た晩、伊之助親方と呑んで居たんだが、酒ならいくらでも呑ませるくせに、あの話となるとどうしても口を開かねえ、あんな頑固な
爺
(
おやぢ
)
は滅多にありませんね、親分」
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
理髪床
(
かみゆひどこ
)
の
爺
(
おやぢ
)
は飛んだ
粗忽
(
そさう
)
をした。だが、まあ堪忍してやるさ、十日も経てば頭は五分刈の長さに伸びようといふものだ。世の中には三年経つても髪の毛一本生えない頭もあるのだから。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
かく定義を下せば、
頗
(
すこぶ
)
る六つかしけれど、是を
平仮名
(
ひらがな
)
にて翻訳すれば、先づ地震、雷、火事、
爺
(
おやぢ
)
の怖きを悟り、砂糖と塩の区別を知り、恋の重荷義理の
柵
(
しがらみ
)
抔
(
など
)
いふ意味を
合点
(
がてん
)
し、順逆の二境を踏み
人生
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
先刻
(
さつき
)
一寸見えたがナ、僕は何だか気の毒の様に感じたから、挨拶もせずに過ぎたのサ、
彼女
(
むかう
)
でも成るべく人の居ない方へと、
避
(
さけ
)
てる様子であつたからナ、山木見たいな
爺
(
おやぢ
)
に梅子さんのあると云ふは
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
維新前から船の問屋の
爺
(
おやぢ
)
を知つて居るお爺さんは、朝から禿頭を光らして出かけて行つて居た。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
話しかけようとする
爺
(
おやぢ
)
の口を
塞
(
ふさ
)
ぐやうに、平次は櫻の老樹の蔭に身を
潜
(
ひそ
)
めます。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
栖鳳氏の
画
(
か
)
いた雀や
筍
(
たけのこ
)
の値段を、この
爺
(
おやぢ
)
さんに聞かせたら何と言ふだらうて。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
理髪床
(
かみゆひどこ
)
の
爺
(
おやぢ
)
は
剃刀
(
かみそり
)
を持つた手を宙に浮かせた儘、腑に落ちなささうに訊いた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「わかりましたがね、あの屋敷は名題の
地獄
(
ぢごく
)
屋敷で、宵に入つたら、朝まで出られやしません。門番の
爺
(
おやぢ
)
だつて、御老中の御家來の
見識
(
けんしき
)
だから、一杯買つたくらゐぢや言ふことを聽いてくれません」
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それは戴いて居ります。だが、実を申しますと、警察の旦那方にああやつて表へ立たれましては、こゝいらの
店子
(
たなこ
)
がすつかり弱つちまひますので。」と
爺
(
おやぢ
)
さんは
膝進
(
にじ
)
り寄つて来て声を低めた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
蕎麥屋の
爺
(
おやぢ
)
は、平次の顏を見て愛想を言つて居ります。
銭形平次捕物控:263 死の踊り子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
クレマンソーの
爺
(
おやぢ
)
め、いろいろな事を知つてゐるな。
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「後で話す。あツ、その
爺
(
おやぢ
)
を逃すなツ」
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“爺(おじいさん)”の解説
おじいさん(お爺さん/お祖父さん)は、日本語において、直系尊属2親等にあたる男性(祖父)、もしくは高齢の男性を指す一般語として使用される。対義語はおばあさん、または孫息子。
(出典:Wikipedia)
爺
漢検準1級
部首:⽗
13画
“爺”を含む語句
老爺
阿爺
爺様
親爺
父爺
爺々
爺婆
因業爺
爺奴
爺親
狸爺
中爺
山爺
爺樣
好々爺
御爺
国姓爺
花咲爺
爺仁
頑固爺
...