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『くづれた土手』
ふりがな文庫
『
くづれた土手
(
くずれたどて
)
』
一夜すさまじく荒れた颱風の朝、Kはいつもよりも少し遅れて家を出た。雨はまだぽつぽつ落ちてゐたけれども、空にはところどころ青いのが見えて、強弩の末と言はぬばかりの風が割合に静かに大きな樹の梢の葉を吹いてゐた。しかし何処にも風雨の跡を留めないと …
著者
田山録弥
著者
田山花袋
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「若草」1925(大正14)年12月
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約10分(500文字/分)
朗読目安時間
約16分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
低頭
(
うなづ
)
爺
(
おやぢ
)
傍
(
かたはら
)
此方
(
こつち
)
眩
(
まば
)
後
(
うしろ
)
嵌
(
はま
)
巴里
(
パリー
)
強弩
(
きやうど
)
彼方
(
あちら
)
凭
(
もた
)
大分
(
だいぶ
)
灯
(
ひ
)