“爺(ぢ)” の例文
併(しか)し平八郎の言ふことは、年来暗示(あんじ)のやうに此爺(ぢ)いさんの心の上に働く習慣になつてゐるので、ことわることは所詮(しよせん)出来ない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「うん。けづな爺(ぢ)んごだもな。酔(よ)たぐれでばがり居で、一向仕事助(す)けるもさないで。今日も町で飲んでらべぁな。うなは(ハ)爺んごに肖(に)るやなぃぢゃぃ。」
十月の末 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
唯今この爺(ぢ)いが、眼球(めだま)を抜きとつて御覧にいれます。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
雨戸を開けて顔を出したのは、四角な赭(あか)ら顔の爺(ぢ)いさんである。瀬田の様子をぢつと見てゐたが、思(おもひ)の外(ほか)拒(こば)まうともせずに、囲炉裏(ゐろり)の側(そば)に寄つて休めと云つた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「爺(ぢ)んごぁ、今朝も戻て来なぃがべが。家(え)でぁこったに忙(いしょ)がしでば。」
十月の末 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
瀬田は二十五歳で、脇差を盗まれたために、見苦しい最期(さいご)を遂げた。村役人を連れて帰つた爺(ぢ)いさんが、其夜(そのよ)の中(うち)に死骸を見付けて、二十二日に領主稲葉丹後守(たんごのかみ)に届けた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「ぢゃ、うなぃの爺(ぢ)んごぁ、酔ったぐれだが。」
十月の末 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)