“だんな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ダンナ
語句割合
旦那83.2%
檀那13.7%
且那0.6%
紳士0.3%
相公0.3%
主公0.3%
太爺0.3%
楼主0.3%
0.3%
老爺0.3%
華主0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そうそう、前の旦那だんなさんとの間に出来た娘な、あれはあんじょう話がついて、自分の方へ引き取ってる云うこッちゃけど、………」
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
今はあらゆる職業の人に交わって、誰をも檀那だんなといい、おかみさんといわなくてはならない。それがどうも口に出憎でにくいのであった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「若い且那だんな、今度はまあ御苦労様でございます」
親子 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
そこへ……いまお道さんが下りました、草にきれぎれの石段を、じ攀じ、ずッとあがって来た、一個ひとり年紀としわか紳士だんながあります。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ツツとあとへ引いて、若い紳士だんなが、卓子に、さきの席を取って、高島田の天人を
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お嬢さんが御標格ごきりょうが佳いうえに、発明で、詩文も上手におできになるから、相公だんながひどく可愛がって、高官に昇った方を養子にしようとしていらっしゃるものだから、それに当る人がのうて
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
相公だんな、お早いじゃありませんか、何か御用でもできたのですか」
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
我はあまりの嬉さに、西班牙スパニアいしだんを驅け上りて、ペツポのをぢに光ある「スクウド」一つ抛げ與へ、そのアントニオの主公だんなと呼ぶ聲をしりへに聞きて馳せ去りぬ。
それは趙太爺だんなの息子が秀才になった時の事であった。阿Qはちょうど二碗の黄酒うわんちゅを飲み干して足踏み手振りして言った。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「ふッ、ふざけちゃいけねえ。病人と、おめえとで、を合せて拝んだなあ、おとといのことだぜ。先の楼主だんなに、無理を願って、この通り、金と証文を——」
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聞いた時の玻璃窓のだんなの顔といったら、今思い出しても腹がよじれる。いいみせしめっていうやつさな
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
阿Qの話では、彼は挙人太爺きょじんだんなうちのお手伝をしていた。この一節を聴いた者は皆かしこまった。この老爺だんなは姓をはくといい城内切っての挙人であるから改めて姓をいう必要がない。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
これを書きしは、かう/″\しき預言者にて、その指すかたに向ひて往くものは、地獄の火燄を踏み破りて、天堂にいたらんとす。若き華主だんなよ。君はまだ此書を讀み給ひし事なきなるべし。