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旦那
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だんな
ふりがな文庫
“
旦那
(
だんな
)” の例文
それに
旦那
(
だんな
)
様はいつでもおはいりなさいと言われます、その上夜中にでも、おはいりという許しがなくてもはいれるのですもの……。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「そうそう、前の
旦那
(
だんな
)
さんとの間に出来た娘な、あれはあんじょう話がついて、自分の方へ引き取ってる云うこッちゃけど、………」
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
十年も昔に
流行
(
はや
)
ったような紋付羽織を祝儀不祝儀に着用して、それを恥ともせず、否むしろ粗服を誇りとするが小諸の
旦那
(
だんな
)
衆である。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
駕籠舁どもは大いに
笑
(
わら
)
ひコレ
旦那
(
だんな
)
何
(
どう
)
した事をいひなさる此道中は初めてと見えるゆゑ夫リヤア
大方
(
おほかた
)
此宿の者が御客を
釣
(
つる
)
つもりの話しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ええ、特別のことがありますとも!
旦那
(
だんな
)
、冬になって、雪が深くつもりますってえと、何もかも一面に平らになってしまいまさ。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
すると電話に出て来たのは、泰さんの店の番頭で、「
旦那
(
だんな
)
は今朝ほど早く、どちらかへ御出かけになりました。」と云う
挨拶
(
あいさつ
)
なのです。
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
起きて下さらなくっちゃ、
晩
(
おそ
)
くなるじゃありませんかと云った。御作さんの
旦那
(
だんな
)
は九時を聞いて、今床の上に起き直ったところである。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたし
)
ぢやない!お
前
(
まへ
)
だ!——でも
私
(
わたし
)
ぢやない、
甚公
(
じんこう
)
が
下
(
お
)
りて
行
(
ゆ
)
くんだ——さァ
甚公
(
じんこう
)
!
旦那
(
だんな
)
が
然
(
さ
)
う
云
(
い
)
つたよ、お
前
(
まへ
)
に
煙突
(
えんとつ
)
を
下
(
お
)
りて
行
(
ゆ
)
けッて!
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「ちょいと寄ってらっしゃらなくって、かわいい
旦那
(
だんな
)
?」と女の一人がかなり響きのいい、まだそんなに嗄れていない声で言った。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「
旦那
(
だんな
)
様、この人が石屋の
伊手市
(
いでいち
)
どんといいまして、あすこのお墓を刻んだ人でして……詳しいことを、よう知っとりますで……」
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「そんだが、
旦那
(
だんな
)
はたいしたもんでがすね、
旦那
(
だんな
)
書
(
か
)
いたんだつて
云
(
ゆ
)
つたらなあ」と
彼
(
かれ
)
は
更
(
さら
)
に
跟
(
つ
)
いて
行
(
い
)
つた
近所
(
きんじよ
)
の
者
(
もの
)
を
顧
(
かへり
)
みていつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
仕立おろしのセルをすらりときた若い奥様に、「どうだ、愉快だね。こんな風な絵は国宝だよ」そう言って見てゆく
旦那
(
だんな
)
様もありました。
最初の悲哀
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
もう
地獄
(
ぢごく
)
へも
汽車
(
きしや
)
が
出来
(
でき
)
たかえ、
驚
(
おどろ
)
いたね。甲「へえゝどうも
旦那
(
だんな
)
、誠に
暫
(
しばら
)
く……。岩「いやア、アハヽヽこれは
吉原
(
よしはら
)
の
幇間
(
たいこもち
)
の
民仲
(
みんちう
)
だね。 ...
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「駄目だよ。
旦那
(
だんな
)
が気がないから」
作
(
さく
)
と云うその男は
俛
(
うつむ
)
いたまま答えた。「もう楮のなかから小判の出て来る
気遣
(
きづかい
)
もないからね」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
前の日まで、憲法ということの講釈を、若い
旦那
(
だんな
)
たちの幾人かが熱心に聴きにきた。その人たちが世話役でもあったのであろう。
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
こいつは
私
(
わたし
)
の
言
(
い
)
いそこないだ。が、ともかく、お
礼
(
れい
)
のつもりで、いいものを
持
(
も
)
つてきましたよ。
旦那
(
だんな
)
は
金魚
(
きんぎょ
)
が
好
(
す
)
きだそうですね。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
茶店
(
ちやみせ
)
の
老人夫婦
(
らうじんふうふ
)
とは
懇意
(
こんい
)
に
成
(
な
)
つて『
旦那
(
だんな
)
又
(
また
)
石拾
(
いしひろ
)
ひですか。
然
(
さ
)
う
始終
(
しじう
)
見
(
み
)
えては、
既
(
も
)
う
有
(
あ
)
りますまい』と
笑
(
わら
)
はれる
位
(
くらゐ
)
にまでなつた。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「浦粕
亭
(
てい
)
」という
寄席
(
よせ
)
や、諸雑貨洋品店、理髪店、銭湯、「山口屋」という本当の意味の料理屋——これはもっぱら町の
旦那
(
だんな
)
方用であるが
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「しかし、しかしですね、いまのような場合に
旦那
(
だんな
)
がやられたとしたら、あなたはその職工側に対して好意を持つことができますかしら?」
仮装観桜会
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
その一人は、近国の
門閥家
(
もんばつか
)
で、地方的に名望権威があって、我が
儘
(
まま
)
の出来る
旦那
(
だんな
)
方。人に、鳥博士と
称
(
とな
)
えられる、聞こえた鳥類の研究家で。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……なあに、いいさ……まあ、こうして坐っていよう。……だが
旦那
(
だんな
)
さまは、どうやら
毛皮外套
(
シューバ
)
も召さずに、ただの外套でいらしたらしい。
桜の園
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「
旦那
(
だんな
)
、またいらしったの。わたし一人のときにこんなところへいらしったりしちゃあ、みなに痛くもないお
腹
(
なか
)
を探られて、わたし困るわよ」
宝石の序曲
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
「迷惑になりそうだ、私は帰ろう。
旦那
(
だんな
)
の来ることは初めからわかっていただろうに、私をごまかして泊まらせたのですね」
源氏物語:07 紅葉賀
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
他處目
(
よそめ
)
うら
山
(
やま
)
しう
見
(
み
)
えて、
面白
(
おもしろ
)
げ
成
(
なり
)
しが、
旦那
(
だんな
)
さま
好
(
よ
)
き
頃
(
ころ
)
と
見
(
み
)
はからひの
御積
(
おつも
)
りなるべく、
年來
(
としごろ
)
足
(
た
)
らぬ
事
(
こと
)
なき
家
(
いへ
)
に
子
(
こ
)
の
無
(
な
)
きをばかり
口惜
(
くちを
)
しく
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それとも、あたしにしろ、
旦那
(
だんな
)
さまにしろ、また子供たちにしろ、その鍋を使うのに、いちいちお前さんの許しを受けなきゃならないのかい?
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
彼女は彼をぶしつけにじろじろながめて、「
旦那
(
だんな
)
様は疲れていらっしゃるからお目にはかかれません、」とまず言い出した。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「おや、ま、そちらに。早くおはいり遊ばせ。お
風邪
(
かぜ
)
を召しますよ。
旦那
(
だんな
)
様はまだお帰り遊ばしませんでございますか?」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
なんで、そんないやな
顔
(
かお
)
をして、
俺
(
おれ
)
をにらむんだい。もうおまえの
世話
(
せわ
)
になどなりはしない。
俺
(
おれ
)
は
明日
(
あす
)
から
旦那
(
だんな
)
さまだ。
くわの怒った話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
するとまた「お
旦那
(
だんな
)
も
我
(
が
)
が折れた。お嬢さん達があんなになりなさつて気が弱つたからだ。」と、どこかで奉公人達が
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
花田 俺たち五人の中に一人、おまえの
旦那
(
だんな
)
にしてもいいと思うのがいるっておまえいつかのろけていたじゃないか。
ドモ又の死
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
宗右衛門町のあるお茶屋では、一ケ月千円以上の支払あるお客への
勘定書
(
かんじょうがき
)
には
旦那
(
だんな
)
の頭へ御の一字をつけ足して何某御旦那様と書く事になっている。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
「
島崎村
(
しまざきむら
)
の木村の
旦那
(
だんな
)
がいつてをらつしやつたが、あそこの屋敷の中に小さい
離
(
はなれ
)
があるさうで、よかつたら良寛さんに、はいつて
貰
(
もら
)
ひたいげなが。」
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
「
旦那
(
だんな
)
さま旦那さま。まアはやくでてごらんなさいまし、とてもすばらしい
大鷲
(
おおわし
)
が、
比叡
(
ひえい
)
のうしろから飛びまわってまいりました。お早く、お早く」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昔は私の畑仕事にときどき手伝って下さったものなのに、ちか頃はてんで、うちの事にかまわず、お隣りの畑などは
旦那
(
だんな
)
さまがきれいに手入れなさって
おさん
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
二年ばかり前に一度日本橋の商家の若
旦那
(
だんな
)
と結婚したのであるが、口やかましい
姑
(
しゅうとめ
)
と、それに対して全く彼女をかばってくれない夫とに愛想をつかして
誰が何故彼を殺したか
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
「もう、
旦那
(
だんな
)
さん、
勘忍
(
かんにん
)
して下さい。ホンのこの坊ちゃん達のいたずらだ。
悪気
(
わるぎ
)
でしたのじゃありません。いい加減に、勘忍してあげてお
呉
(
く
)
んなさい。」
納豆合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
知りあいの商店の
旦那
(
だんな
)
をよびだして、かけあったり、もういい加減で売っちゃえと云っても、ダメダメ安すぎる、大いにハリキッて
倦
(
う
)
むことを知らない。
二十七歳
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
轎夫
(
きょうふ
)
が分からぬことをいって
賃銭
(
ちんせん
)
を
強請
(
ねだ
)
ったり、この
旦那
(
だんな
)
は重いとか、
荷
(
に
)
が多いとか、
轎
(
かご
)
の中で動いて困るとか、雨が降るとか、橋がないから
御免
(
ごめん
)
とか
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
お母さんときたら、いつでもあのジョージさんの腕にもたれるほうが、御自分の
旦那
(
だんな
)
さんの腕にもたれるのより好きだったんですからね。おかわいそうに。
寡婦とその子
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
この頃は
二子
(
ふたこ
)
の裏にさえ甲斐機を付ける。斜子の羽織の胴裏が絵甲斐機じゃア郡役所の書記か小学校の先生
染
(
じ
)
みていて、待合入りをする
旦那
(
だんな
)
の
估券
(
こけん
)
に
触
(
さわ
)
る。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
旦那
(
だんな
)
というのは学問がしたいといって、お隣の家へ漢学を習いに来るのでしたから、いわば私と同門のわけです。私は『日本外史』などを習っていました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
サッポロに集まった渡り職人どもにはこいつはちッとばかり大仕事かと思いますね、さ、さ、そういうことは、
旦那
(
だんな
)
の方が百も承知でしょうが、そこで、実は
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
「
旦那
(
だんな
)
さん。百八十
両
(
りょう
)
やって下さい。俥はもうみしみし云っていますし私はこれから
病院
(
びょういん
)
へはいります。」
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
売り手のじいさんやばあさんも長い
煙管
(
きせる
)
を吹かしたり編み物をしているのでありました。ひやかしていると、「ドクトルの
旦那
(
だんな
)
さん、
降誕祭贈物
(
ワイナハトゲシェンク
)
はいかがです」
先生への通信
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
おとよ、ほかの事ではないがの、お前の縁談の事についてはずれの
旦那
(
だんな
)
が来てくれて今帰られたところだ。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「十円? 心得たっ。だが、
旦那
(
だんな
)
、何十台抜くかわかりませんぜ。あとで冗談だなんて言いっこなしだぜ」
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
旦那
(
だんな
)
! 先生! 人が悪いや、あっしをこんなに追いまくるなんて——ねえ、旅は道づれ世は情けって言いまさあ。ひとついかがで、御相談いたしやしょう」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「お豊さん、もう一遍
旦那
(
だんな
)
様にさう申して来て下さいな、
私
(
わたし
)
今日は急ぎますから、
些
(
ちよつ
)
とお目に懸りたいと」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一寸
(
ちょい
)
とした事だが
可笑
(
おか
)
しい話があるその次第は、江戸で
御家人
(
ごけにん
)
の事を
旦那
(
だんな
)
と
云
(
い
)
い、
旗本
(
はたもと
)
の事を
殿様
(
とのさま
)
と云うのが一般の慣例である、所が私が旗本になったけれども
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「
旦那
(
だんな
)
もあまり心が小さいじゃありませんか。私がどうして一つの界方位とって逃げるものですか。」
織成
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
“旦那”の意味
《名詞》
旦那(だんな)
布施をすること。またはその人 (檀那) 。
夫(配偶者)のこと。
船場ことばで商家の主人のこと。
(出典:Wiktionary)
旦
常用漢字
中学
部首:⽇
5画
那
常用漢字
中学
部首:⾢
7画
“旦那”で始まる語句
旦那様
旦那樣
旦那衆
旦那寺
旦那方
旦那取
旦那座
旦那殿
旦那等
旦那筋