おさん
たましいの、抜けたひとのように、足音も無く玄関から出て行きます。私はお勝手で夕食の後仕末をしながら、すっとその気配を背中に感じ、お皿を取落すほど淋しく、思わず溜息をついて、すこし伸びあがってお勝手の格子窓から外を見ますと、かぼちゃの蔓のうね …
作品に特徴的な語句
しょく 手拭てぬぐ 喧嘩げんか むし 暑気しょき えん じゃ 醜聞しゅうぶん 窓縁まどべり 門口かどぐち 紙治かみじ 開襟かいきん はず きわ ほお 竹藪たけやぶ あご 綺麗きれい 空巣あきす なが 真似まね ぼん 疎開そかい 留守るす あさ 蚊帳かや 財布さいふ 見栄みえ ふすま よそお たもと くら 身悶みもだ つる 蒲団ふとん 肌寒はださむ あく 罹災りさい 内緒ないしょ 団欒だんらん うそ のど つぶや あき 吹聴ふいちょう 利巧りこう すご つぼ やさ そば 俄雨にわかあめ うかが 事毎ことごと 乞食こじき 下手へた 上戸じょうご 押入おしいれ あお 煩悶はんもん 七輪しちりん 溜息ためいき さび すず こと 旦那だんな 生垣いけがき ある 憂鬱ゆううつ した 恰好かっこう 微笑ほほえ かす 孫文そんぶん 姙娠にんしん
題名が同じ作品
おさん (新字新仮名)山本周五郎 (著)