“俄雨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にわかあめ86.4%
にはかあめ13.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はじめて法隆寺を訪れた日は、俄雨にわかあめの時折襲ってくる日で、奈良の郊外は見物人も少くひっそりと静まりかえっていた。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
元々村へ出るには、沢辺さわべまで降りて、沢伝いに里へ下るのだから、俄雨にわかあめで谷が急にいっぱいになったが最後、米など背負しょって帰れる訳のものでない。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これ等のものは、美しい春の朝に有り勝ちな四月の俄雨にはかあめと光りの連續がもたらし得ると同じやうに、活々としてゐた。
大久保氏は吊革にもぶら下らないで、左腋ひだりわきには読みさしの『十九世紀雑誌ナインチン・センチユリ・アンド・アフタ』の五月号をはさみ、右手には幾度いくたび俄雨にはかあめにでも出会つたらしい絹紬けんちう洋傘かうもりがさをついた儘じつと立ち通しでゐた。