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見透
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みとほ
ふりがな文庫
“
見透
(
みとほ
)” の例文
「その騷ぎの中で、達者な女が一人殺されて、念入に往來から
見透
(
みとほ
)
しの欄干に、暮の鹽鮭のやうに逆樣に吊されて居たといふぢやないか」
銭形平次捕物控:259 軍学者の妾
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
勿論
(
もちろん
)
留守
(
るす
)
を
狙
(
ねら
)
つて
泳
(
およ
)
ぎ
出
(
だ
)
したのであつたが——
揃
(
そろ
)
つて
紫星堂
(
しせいだう
)
(
塾
(
じゆく
)
)を
出
(
で
)
たと
聞
(
き
)
いて、その
時々
(
とき/″\
)
の
弟子
(
でし
)
の
懷中
(
くわいちう
)
は
見透
(
みとほ
)
しによく
分
(
わか
)
る。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
亭主が店で何をして居るか、弟子が何をして居るか、女中が台所の方で何をして居るか、そんなことは
内儀
(
かみ
)
さんには
見透
(
みとほ
)
すやうによく解つた。
死の床
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
長左衛門様の御話して、
斯
(
かう
)
なることを
見透
(
みとほ
)
して御座つたと言うて聴かせましたが、若い者等は、ヘイ
其様
(
そんな
)
人があつたのかなと驚いて居ましたよ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
けれども患者が
縁端
(
えんばた
)
へ出て互を
見透
(
みとほ
)
す不都合を避けるため、わざと二部屋毎に開き戸を設けて御互の關とした。
変な音
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
ヂュリ
大空
(
おほぞら
)
の
雲
(
くも
)
の
中
(
なか
)
にも
此
(
この
)
悲痛
(
かなしみ
)
の
底
(
そこ
)
を
見透
(
みとほ
)
す
慈悲
(
じひ
)
は
無
(
な
)
いか? おゝ、
母
(
かゝ
)
さま、わたしを
見棄
(
みす
)
てゝ
下
(
くだ
)
さりますな!
此
(
この
)
婚禮
(
こんれい
)
を
延
(
のば
)
して
下
(
くだ
)
され、せめて
一月
(
ひとつき
)
、一
週間
(
しうかん
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
また朧げな地平線を遙かにのぞむ時——その時、その限界を越えて
見透
(
みとほ
)
すことの出來る視力、聞いたばかりで見たことのない生命に充ちた忙がしい世界や、町や
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
道端
(
みちばた
)
の
人家
(
じんか
)
は道よりも一段低い地面に建てられてあるので、春の日の光を
外
(
よそ
)
に女房共がせつせと
内職
(
ないしよく
)
して
居
(
ゐ
)
る
薄暗
(
うすぐら
)
い
家内
(
かない
)
のさまが、
通
(
とほ
)
りながらにすつかりと
見透
(
みとほ
)
される。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
あの時、家庭医学の本を読んでゐると、自分が、どんなところを読んでゐるのか、病人は、何も彼も
見透
(
みとほ
)
すやうな、無気味な眼色で、都和井の方をじろじろみつめてゐた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
博士は
呟
(
ぼや
)
きながら、その
理由
(
わけ
)
を考へた。
理由
(
わけ
)
は直ぐ分つた。それに
拠
(
よ
)
ると、博士は歴史家である。そして女の多くは大抵歴史を持つてゐるので、それを
見透
(
みとほ
)
されるのが厭さに歴史家を嫌ふに相違ない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
逐電
(
ちくでん
)
の
節
(
せつ
)
大津迄同道せしが夫より分れて
渠
(
かれ
)
は三井寺の方へ行私し儀は
願山
(
ぐわんざん
)
諸共
(
もろとも
)
に江戸へ下向致せしにより其後
靱負
(
ゆきへ
)
の行方
更
(
さら
)
に心得申さずと云ゆゑ然らば
是非
(
ぜひ
)
に及ばず併し其方
生國
(
しやうこく
)
は
相州
(
さうしう
)
と申たれども是又
僞
(
いつは
)
りならん
眞直
(
まつすぐ
)
に申せと有ければ平左衞門
彌々
(
いよ/\
)
驚
(
おどろ
)
き
斯
(
かく
)
見透
(
みとほ
)
さるゝ上はとても叶はじと思ひ私し
生國
(
しやうこく
)
實
(
じつ
)
は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「錢形の親分、此方から行かうと思つてゐたよ。
見透
(
みとほ
)
しの通り、あのお袖といふ女には、不思議なことが附き
纒
(
まと
)
つてるぜ——」
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
件
(
くだん
)
の
垣根
(
かきね
)
を
差覗
(
さしのぞ
)
きて、をぢさん
居
(
ゐ
)
るか、と
聲
(
こゑ
)
を
懸
(
か
)
ける。
黄菊
(
きぎく
)
を
活
(
い
)
けたる
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
の
見透
(
みとほ
)
さるゝ
書齋
(
しよさい
)
に
聲
(
こゑ
)
あり、
居
(
ゐ
)
る/\と。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
片側
(
かたかは
)
に
朝日
(
あさひ
)
がさし込んで
居
(
ゐ
)
るので
路地
(
ろぢ
)
の
内
(
うち
)
は
突当
(
つきあた
)
りまで
見透
(
みとほ
)
された。
格子戸
(
かうしど
)
づくりの
小
(
ちひさ
)
い
家
(
うち
)
ばかりでない。
昼間
(
ひるま
)
見ると意外に
屋根
(
やね
)
の高い
倉
(
くら
)
もある。
忍返
(
しのびがへ
)
しをつけた
板塀
(
いたべい
)
もある。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「止してくれ、俺はその
豚
(
ぶた
)
の
仔
(
こ
)
のやうな
雌
(
めす
)
と祝言せずに濟んだだけでも澤山だ、——何でえ、岡つ引のくせに。何も彼も見拔いたつもりでも、人の心の
見透
(
みとほ
)
しはつくまい」
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
螢
(
ほたる
)
と
紫陽花
(
あぢさゐ
)
が
見透
(
みとほ
)
しの
背戸
(
せど
)
に
涼
(
すゞ
)
んで
居
(
ゐ
)
た、
其
(
そ
)
のお
米
(
よね
)
さんの
振向
(
ふりむ
)
いた
瞳
(
め
)
の
情
(
なさけ
)
だつたのです。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
はいつも
巡査
(
じゆんさ
)
が
立番
(
たちばん
)
してゐる左手の
石橋
(
いしばし
)
から
淡島
(
あはしま
)
さまの
方
(
はう
)
までがずつと
見透
(
みとほ
)
される
四辻
(
よつゝじ
)
まで歩いて来て、
通
(
とほ
)
りがゝりの人々が
立止
(
たちどま
)
つて
眺
(
なが
)
めるまゝに、自分も
何
(
なん
)
といふ事なく
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「親分、一言もねえ。まさに
見透
(
みとほ
)
しの通り、お留の阿魔が下手人でしたよ。——繩を打つて引つ立てて行くと、笹野の旦那が褒めましたぜ。これが八五郎の手柄か、大したことだね——つて」
銭形平次捕物控:108 がらツ八手柄話
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此
(
こ
)
の
裏
(
うら
)
は、すぐ
四谷見附
(
よつやみつけ
)
の
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
櫓
(
やぐら
)
を
見透
(
みとほ
)
すのだが、
其
(
そ
)
の
遠
(
とほ
)
く
廣
(
ひろ
)
いあたりは、
日
(
ひ
)
が
眩
(
まぶし
)
いのと、
樹木
(
じゆもく
)
に
薄霧
(
うすぎり
)
が
掛
(
かゝ
)
つたのに
紛
(
まぎ
)
れて、
凡
(
およ
)
そ、どのくらゐまで
飛
(
と
)
ぶか、
伸
(
の
)
すか、そのほどは
計
(
はか
)
られない。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何處から聞いたか、新三郎はつまらぬ事まで
見透
(
みとほ
)
しです。
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へツ、
見透
(
みとほ
)
しだね、親分、さすがは錢形——」
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
見透
(
みとほ
)
しだね、親分」
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
透
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
“見”で始まる語句
見
見惚
見物
見出
見下
見上
見送
見做
見当
見廻