“薄霧”の読み方と例文
読み方割合
うすぎり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ときに、薄霧うすぎりが、紙帳しちやうべて、蜻蛉とんぼいろはちら/\と、錦葉もみぢうたゑがいた。八月六日はちぐわつむいかおぼえてる。
十和田の夏霧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
魯鈍ろどん無情のからすの声が、道路傍の住家の屋根の上に明け方の薄霧うすぎりほころばして過ぎた。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
薄霧うすぎり北の山の根に消えやらず、柿の実撒砂まきすなにかちりと音して宿夢しゅくむ拭うがごとくにさめたり。しばらくの別れを握手に告ぐる妻がびんおくに風ゆらぎて蚊帳かやの裾ゆら/\と秋も早や立つめり。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)