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薄霧
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うすぎり
ふりがな文庫
“
薄霧
(
うすぎり
)” の例文
時
(
とき
)
に、
薄霧
(
うすぎり
)
が、
紙帳
(
しちやう
)
を
伸
(
の
)
べて、
蜻蛉
(
とんぼ
)
の
色
(
いろ
)
はちら/\と、
錦葉
(
もみぢ
)
の
唄
(
うた
)
を
描
(
ゑが
)
いた。
八月六日
(
はちぐわつむいか
)
の
日
(
ひ
)
と
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
十和田の夏霧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
魯鈍
(
ろどん
)
無情の
鴉
(
からす
)
の声が、道路傍の住家の屋根の上に明け方の
薄霧
(
うすぎり
)
を
綻
(
ほころ
)
ばして過ぎた。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
薄霧
(
うすぎり
)
北の山の根に消えやらず、柿の実
撒砂
(
まきすな
)
にかちりと音して
宿夢
(
しゅくむ
)
拭うがごとくにさめたり。しばらくの別れを握手に告ぐる妻が
鬢
(
びん
)
の
後
(
おく
)
れ
毛
(
げ
)
に風ゆらぎて
蚊帳
(
かや
)
の裾ゆら/\と秋も早や立つめり。
東上記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
此
(
こ
)
の
裏
(
うら
)
は、すぐ
四谷見附
(
よつやみつけ
)
の
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
櫓
(
やぐら
)
を
見透
(
みとほ
)
すのだが、
其
(
そ
)
の
遠
(
とほ
)
く
廣
(
ひろ
)
いあたりは、
日
(
ひ
)
が
眩
(
まぶし
)
いのと、
樹木
(
じゆもく
)
に
薄霧
(
うすぎり
)
が
掛
(
かゝ
)
つたのに
紛
(
まぎ
)
れて、
凡
(
およ
)
そ、どのくらゐまで
飛
(
と
)
ぶか、
伸
(
の
)
すか、そのほどは
計
(
はか
)
られない。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
面
(
つら
)
の
長
(
なが
)
さは三
尺
(
じやく
)
ばかり、
頤
(
あご
)
の
痩
(
やせ
)
た
眉間尺
(
みけんじやく
)
の
大額
(
おほびたひ
)
、ぬつと
出
(
で
)
て、
薄霧
(
うすぎり
)
に
包
(
つゝ
)
まれた
不氣味
(
ぶきみ
)
なのは、よく
見
(
み
)
ると、
軒
(
のき
)
に
打
(
う
)
つた
秋祭
(
あきまつり
)
の
提灯
(
ちやうちん
)
で、一
軒
(
けん
)
取込
(
とりこ
)
むのを
忘
(
わす
)
れたのであらう、
寂寞
(
ひつそり
)
した
侍町
(
さむらひまち
)
に
唯
(
たゞ
)
一箇
(
ひとつ
)
。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
薄霧
(
うすぎり
)
の
袖
(
そで
)
の
光
(
ひか
)
りを
長
(
なが
)
く
敷
(
し
)
いた。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
薄
常用漢字
中学
部首:⾋
16画
霧
常用漢字
中学
部首:⾬
19画
“薄”で始まる語句
薄
薄暗
薄紅
薄明
薄暮
薄縁
薄荷
薄闇
薄汚
薄氷