“侍町”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さむらいまち50.0%
さむらひまち50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつどきの事で、侍町さむらいまちの人通りのない坂道をのぼる時、大鷲おおわしが一羽、虚空こくうからいわ落下おちさがるが如く落して来て、少年を引掴ひっつかむと、たちまち雲を飛んで行く。少年は夢現ゆめうつつともわきまへぬ。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ぐらぐらと揺れる一銭橋いちもんばしと云うのを渡って、土塀ばかりでうちまばらな、畠も池も所々ところどころ侍町さむらいまち幾曲いくまがり、で、突当つきあたりの松の樹の中のそのやしきに行く、……常さんのうちを思うにも、あたかもこの時、二更にこうの鐘のおと
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あなのやうな眞暗まつくら場末ばすゑ裏町うらまちけて、大川おほかはけた、近道ちかみちの、ぐら/\とれる一錢橋いちもんばしふのをわたつて、土塀どべいばかりでうちまばらな、はたけいけ所々ところ/″\侍町さむらひまち幾曲いくまがり、で
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つらながさは三じやくばかり、あごやせ眉間尺みけんじやく大額おほびたひ、ぬつとて、薄霧うすぎりつゝまれた不氣味ぶきみなのは、よくると、のきつた秋祭あきまつり提灯ちやうちんで、一けん取込とりこむのをわすれたのであらう、寂寞ひつそりした侍町さむらひまちたゞ一箇ひとつ
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)