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裏町
恨みにでも
思ふだけがお
前さんが
未練でござんす、
裏町の
酒屋の
若い
者知つてお
出なさらう、二
葉やのお
角に
心から
落込んで、かけ
先を
殘らず
使ひ
込み
裏町、
表通り、
火を
警むる
拍子木の
音も、
石を
噛むやうに
軋んで、
寂然とした、
臺所で、がさりと
陰氣に
響く。
そこで彼等はまず神田の
裏町に仮の宿を定めてから
甚太夫は怪しい
謡を唱って
合力を請う浪人になり、
求馬は
小間物の箱を
背負って
町家を廻る
商人に化け