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裏町
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うらまち
恨みにでも
思ふだけがお
前さんが
未練でござんす、
裏町の
酒屋の
若い
者知つてお
出なさらう、二
葉やのお
角に
心から
落込んで、かけ
先を
殘らず
使ひ
込み
裏町、
表通り、
火を
警むる
拍子木の
音も、
石を
噛むやうに
軋んで、
寂然とした、
臺所で、がさりと
陰氣に
響く。
そこで彼等はまず神田の
裏町に仮の宿を定めてから
甚太夫は怪しい
謡を唱って
合力を請う浪人になり、
求馬は
小間物の箱を
背負って
町家を廻る
商人に化け
道子はアパートに
出入する
仕出屋の
婆さんの
勧めるがまゝ、
戦後浅草上野辺の
裏町に
散在してゐる
怪し
気な
旅館や
料理屋へ
出入りしてお
客を
取りはじめた。
そこから、
広い、
大通りをまっすぐにゆけば、やはりにぎやかだったが、
裏町の
方へゆく
道は、
前後とも、
火影が
少なくなって、
暗く、
溝のくぼみのように、さびしげにさえ
見られました。
ジョバンニが
勢いよく帰って来たのは、ある
裏町の小さな家でした。
学校の帰り道には毎日のやうに
待乳山の
境内で
待合せて、人の知らない
山谷の
裏町から
吉原田圃を歩いた………。あゝ、お
糸は
何故芸者なんぞになるんだらう。
穴のやうな
眞暗な
場末の
裏町を
拔けて、
大川に
架けた、
近道の、ぐら/\と
搖れる
一錢橋と
云ふのを
渡つて、
土塀ばかりで
家の
疎な、
畠も
池も
所々、
侍町を
幾曲り、で
……
裏町、
横通りも、
物音ひとつも
聞えないで、
靜まり
返つた
中に、
彼方此方の
窓から、どしん/\と
戸外へ
荷物を
投げて
居る。
火は
此處の
方が
却つて
押つゝまれたやうに
激しく
見えた。