動揺ゆすぶ)” の例文
旧字:動搖
もっと平岡を動揺ゆすぶる事が出来た。もっと彼の肺腑はいふる事が出来た。に違ない。その代り遣り損えば、三千代に迷惑がかかって来る。平岡と喧嘩けんかになる。かも知れない。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
巡礼は泣き出した児を動揺ゆすぶって、暮方の秋の空をながめ眺め行きました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もし思ひ切つて、三千代を引合ひきあひして、自分の考へ通りを、遠慮なく正面からべ立てたら、もつと強い事が云へた。もつと平岡を動揺ゆすぶる事が出来た。もつとかれの肺腑に入る事が出来た。にちがひない。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
私の生命いのちは根から動揺ゆすぶられ通しだ。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)