動揺ゆるぎ)” の例文
旧字:動搖
これでこそ深沈な研究とあまねき同情との上に立脚して動揺ゆるぎの無い確かな最新の芸術が沸き出るのだとうなづかれる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
空一面に渋い顔を開いて、遙かに遙かに地球の表面おもてを圧して居る灰色の雲の下には、圧せられてたまるものかと云はぬ許りに、劫初ごふしよまま碧海あをうみが、底知れぬ胸の動揺ゆるぎの浪をあげて居る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)