)” の例文
過去がすでにである、未来もまた怖なるべしとの予期は、自然とおのれを放射して次に出現すべきいかなる出来事をもこの怖に関連して解釈しようと試みるのは当然の事と云わねばならぬ。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
して己れの心をそのまま存する者はこわがりもせぬ。怖気おじけは自己の心を離るるより起こる。漢字で立心扁りっしんべんに去る(きょう)布く()芒ふ(ぼう)をつけてこわがるの意を現すもゆえありというべし。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)