こえ)” の例文
何うなったのうなったのと、実になんともとも云いようのねえこええことだが、これを手前てめえとおれと見たばかりじゃア掛合かゝりえいにでもなっちゃア大変てえへんだから
ベンジャミン・ガンがこええんで、みんなあの山の上へ逃げちまったよ。ああ! そこにはばかがある。
「これさ、弥吉どん、お前のような人鬼でもこええてことがあると見えるの。」
痩せた手を己の胸の上へ載せて、よう新吉さんをけえしておくんなさいよ、新吉さんを帰しておくんなさいよと云って、己が胸を押圧おっぺしょれる時の、こええの怖くねえのって
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ああ、あの人はまったく大将てえしょうらしい人だったよ、あのフリントはな! ラムのほかにゃあ、あの人にかなうものは何にもなかったんだ。こええ者なんて一人だってなかったんだぜ。
作「南無阿弥陀仏/\、ひどい事をするなア、顔は綺麗だが、おっかねえ事をする、こええなア」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
己はあの金を取りにここへ来たんだ。人間にだって悪魔にだって負けやしねえぞ。フリントが生きてる時だって己は奴がちっともこわかなかったんだ。死んでるあいつなんかこええもんか。
こええ時と寒い時は酒でなければしのげねえから幾度も飲んで来たんだ、おめえ出しても身の毛立つようだ、最初はなから胡散うさんな侍だと思えば気を附けるが、やさしく若衆や砂打場すなうちば……じゃアねえ
うめえ仕事もねえのサ……親方御免なせえ……お爺さん熱くして一本けておくれ、お爺さん、カラどうもえいが醒めちゃア生地いくじがねえんだ、寒い時とこええ時は酒でなくッちゃアしのげねえから
おらア転がっちゃッた、え、おいおとっさん、初めッからこええ侍ならば油断をしねえが、やさしい声で若衆や気を附けて遣って呉れッて、鰻屋で一本けて二分の祝儀だ、畏りましたと云うと