おっ)” の例文
人を擲殺たゝッころして内済ねえせいで済みますかえ、そりゃア済ます人もあるか知れませんが、わっちアいやだ、おっかねえ事を仰しゃるねえ、おふくろさん
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
どうかしましたもないじゃありませんか、何んですの、その顔は。おっかない顔をしてわたしを
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
これは名前だけはおっかない敵役のようですが、ヒョロヒョロとした青白い四十男で、剣術よりは下駄の鼻緒はなおを直したり、障子を張ったり月代さかやきを当ったりすることのうまい人間です。
「あたいはしんさいがおっかなかったんだよ」
白い壁 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
「いやにおっかないつらをしている奴だな」
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
おっかない! オッ母ッ!」と叫んだ。
人を殺す犬 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
おっかない。神様が取り殺しなさる。」
女房ども (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
と三人出たから見物は段々あと退さがる、抜刀ぬきみではどんな人でも退る、豆蔵が水をくのとは違う、おっかないからはら/\と人が退きます。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ここにおっかないものがある」
五「おっかねえ処だ、江戸てえ所にゃア二度と再び来る所じゃねえ、火におっかけられて居るんだねえ、旦那さん何処へ逃げべえか」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
清「おっかねえ、女をまア、なんてエ、人を殺すったって村方むらかたの土手じゃアねえか、ウーン怖かなかんべえ、ウーンうした」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
太「あの野郎なんでも口の先で他人ひとだまして銭をかりる事は上手だが、けえ声では云えねえが、此処こゝな甚藏は蝮野郎まむしやろうでよくねえおっかねえ野郎でのう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
男「はっ……あーびっくりした、はあーえら魂消たまげやした、あゝおっかねえ……何かぽく/\くれえ物が居ると思ったが、こけえらはむじなの出る処だから」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
茂「そうサ、自分が調べられるのじゃアないからのこった、此方こちとらはまかり間違えば捕縛ふんじばられるのだからおっかねえ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
仙「パクリと柚子ゆず味噌の蓋を見たように頭を殺がれるか、もう少し下ならコロリと首が落ちるんだ、オヽおっかねえ、喧嘩は止めだ、酷い奴が有るものだ」
伊之吉とてこんなことを遣るはへその緒きって始めての芸で、実はおっかな恟りでおるんでげすが、なんと云ってもそこへまいると男は男だけの度胸のあるもので
五八「おらア人殺し/\と云うから、おっかなくってたまりやしねえから、此処こゝ引下ひきさがって居りやすのだ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
どうも江戸はえれえおっかねえ所で、なか/\い所だと云うのは嘘でがんす、側から/\火事が追掛おっかけて来て、彼方此方あっちこっち逃𢌞って、漸くのこんでけえってめえりやしたが
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今小兼は出て来てうちに居るのだがね、妙なもんで六年あと彼奴あいつい女だったが、此の頃はこう小皺が寄ってきて、年をった新造しんぞの顔はおっかねえもので、何だか見るのも厭になったが
何うにもうにもおれが一生懸命に掛合ったから、飲んだ酒もめて仕舞った、おら全体ぜんてい酒さえのめば、さむれえでもなんでもおっかなくねえように気が強くなるのだが、幽霊が側へ来たかと思うと
わっちおっかねえから真堀の定蓮寺へ逃込んで漸々ようようの事で助かったがうちを出る時ア兄貴と喧嘩アして兄弟きょうでえの縁を切る、二年越も世話になった女と一緒になるも厭になって、まごつき出した日にゃア
國「おっかねえ、死んでも忘れません、向後きょうこう悪事はふッつりと」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
喜「何しろおっかねえ姿なりだなア、化物じゃアあるめえなア」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
誰もその熊がおっかねえッて其の山へもなアありやせんよ
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
庄「おっかねえことであったのう」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)