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怖
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こは
ふりがな文庫
“
怖
(
こは
)” の例文
「
怖
(
こは
)
いぢやありませんか、親分さん。お孃さんは此處から突き落されたんですね、這ひ上がるところを、上から石を落されちや——」
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「廣間にお待ちしてをりませう。そして若し
怖
(
こは
)
いとお思ひになつたら、一寸お呼びになりや、直ぐに這入つて行つて上げますから。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
乘り入れて
二進
(
につち
)
も
三進
(
さつち
)
もいかなくなるか自腹の痛事あるべきなりオヽ
怖
(
こは
)
やと悟る人は誠に
好
(
い
)
い子といふべきなり
抔
(
など
)
と横道の
冗
(
むだ
)
は措き
此
(
こゝ
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
剥出
(
むきだ
)
し是サ此子は
怖
(
こは
)
い事はない此伯父と一所に
歩行々々
(
あゆめ/\
)
と
引摺
(
ひきずり
)
行を娘はアレ/\
勘忍
(
かんにん
)
して下されませ
母樣
(
かゝさま
)
が待て居ますと
泣詫
(
なきわび
)
るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
したが、これも
時代
(
ときよ
)
とあきらめるが
好
(
い
)
いぞよ。これさ、うの
目
(
め
)
たかの
目
(
め
)
つて
世間
(
せけん
)
の
口
(
くち
)
の
端
(
は
)
にか〻るではないか、そんな
怖
(
こは
)
い
目
(
め
)
はせぬものぢや
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
▼ もっと見る
何
(
ど
)
うなることかと
私
(
わたし
)
、ほんとに
怖
(
こは
)
う御座いましたよ、けども御前、伯父も本心から
彼様
(
あんな
)
こと致したのでは御座いませぬでせうと思ひますの
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「何故といつて、奥さん、女房持ちの男が
怖
(
こは
)
がるのは、たつた一人の女ですが、
独身者
(
ひとりもの
)
は女全体を恐ろしがるんですからね。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
するし、何や知らんが、
怖
(
こは
)
さうにうなされてるし、……えらい近所迷惑やがな、……もうちよつと気いつけるわけにいかんか
大凶の籤
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
あれで
瓦斯
(
ぐわす
)
を
焚
(
た
)
きます、
夜
(
よる
)
は
方々
(
はう/″\
)
へ
瓦斯
(
ぐわす
)
が
点
(
つ
)
きますから、少しも
地獄
(
ぢごく
)
は
怖
(
こは
)
い事はございません。岩「へえゝ、
開
(
ひら
)
けたもんで。 ...
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
死ぬ事が
怖
(
こは
)
いのだつたら、方法を考へる事だつて怖いンだから、二人の死となると、よく計画しなくちや駄目なのね……
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
何
(
なん
)
だか見無いでも
可
(
い
)
いものを見る様な気が為て、
怖
(
こは
)
く成つたが、
思切
(
おもひき
)
つて引くと、荒い音も
為
(
せ
)
ずにすつと軽く
開
(
あ
)
いた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
尤も眼を
剥
(
む
)
いて見せたら子供は
怖
(
こは
)
がる、
拳
(
こぶし
)
を振廻したら
猫
(
ねこ
)
に逃げる、雖然魂のある
大人
(
おとな
)
に向ツては何等の
利目
(
きめ
)
が無い。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
よく見ると、そんなに
怖
(
こは
)
い顔ぢやないんだけど、なんて云つたらいゝのかしら……やつぱり、気味が
悪
(
わる
)
いんだわ。
モノロオグ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「危ねえ」と云ふ時どもるやうになつて、兄は何か見えない恐ろしいものでも見つめるやうに
怖
(
こは
)
い眼をして室の内を見廻した。お末も妙にぎよつとした。
お末の死
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
「それは文といふ女のお化けです。お前もおとなしくしないと、庭のお池からかういふ
怖
(
こは
)
いお化けが出ますよ。」
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ブラ/\遊んでをる
穀
(
ごく
)
つぶしめア、今にあん通りになるんぢや」と私に
怖
(
こは
)
い凝視を投げて
甲走
(
かんばし
)
つた声で言つた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「
怖
(
こは
)
がるこたあない、いきなり彼奴を引つつかまへちまへ! 何をびくびくしとるんだ? 味方は多勢だぞ。確かにこいつは悪魔ではなくて人間だ!……」
ディカーニカ近郷夜話 前篇:05 五月の夜(または水死女)
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「君にも解らないぢや、仕樣が無いね。で、一體君は、さうしてゐて
些
(
ちつ
)
とも
怖
(
こは
)
いと思ふことはないかね?」
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
怖
(
こは
)
くなつて、
急
(
きふ
)
に
日常
(
にちじやう
)
の
我
(
われ
)
を
呼
(
よ
)
び
起
(
おこ
)
して、
室
(
へや
)
の
中
(
なか
)
を
眺
(
なが
)
めた。
室
(
へや
)
は
微
(
かす
)
かな
灯
(
ひ
)
で
薄暗
(
うすぐら
)
く
照
(
て
)
らされてゐた。
灰
(
はひ
)
の
中
(
なか
)
に
立
(
た
)
てた
線香
(
せんかう
)
は、まだ
半分
(
はんぶん
)
程
(
ほど
)
しか
燃
(
も
)
えてゐなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
女の子が側へ戻つて行くと、
怖
(
こは
)
い顏をしながら、それをはかせた。パンツだつたのである。「あの兒、病氣か?」と私が又若い女に聞く。頭ガワルイといふ返辭である。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
「まあ、
怖
(
こは
)
い事ぢや御座いませんか。
私
(
わたくし
)
なぞは滅多に伺ふ訳には参りませんで御座いますね」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
怖
(
こは
)
く淋しくなつて、その村へ逃げ込んだやうにも見え、又村の方が道を失つて、汽車に故郷へ連れて歸つて貰ひ度さに、線路のふちに固まり合つてゐるといつた風にも見える。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
それとも、
餘
(
あ
)
まり
手輕
(
てがる
)
う
手
(
て
)
に
入
(
い
)
ったとお
思
(
おも
)
ひなさるやうならば、
故
(
わざ
)
と
怖
(
こは
)
い
貌
(
かほ
)
をして、
憎
(
にく
)
さうに
否
(
いや
)
と
言
(
い
)
はう、たとひお
言寄
(
いひよ
)
りなされても。さもなくば、
世界
(
せかい
)
かけて
否
(
いや
)
とは
言
(
い
)
はぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それは
生国魂
(
いくたま
)
神社の境内の、
巳
(
み
)
さんが
棲
(
す
)
んでゐるといはれて
怖
(
こは
)
くて近寄れなかつた
樟
(
くす
)
の老木であつたり、北向八幡の境内の蓮池に
落
(
はま
)
つた時に濡れた着物を干した
銀杏
(
いちやう
)
の木であつたり
木の都
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
怖
(
こは
)
い顔をした郵便配達は、かう言つて、一間も
此方
(
こつち
)
から厚い封書を銀場へ投げ込むと、クルリと身体の向を変へて、靴音荒々しく、板場で焼く
鰻
(
うなぎ
)
の匂を嗅ぎながら、
暖簾
(
のれん
)
を
潜
(
くゞ
)
つて去つた。
鱧の皮
(新字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
自分
(
じぶん
)
の
現世
(
げんせ
)
で
犯
(
おか
)
した
罪悪
(
つみ
)
がだんだん
怖
(
こは
)
くなってどうにも
仕方
(
しかた
)
なくなりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
向
(
むか
)
ふの一
疋
(
ぴき
)
はそこで
得意
(
とくい
)
になつて、
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
して
手拭
(
てぬぐひ
)
を一つべろりと
甞
(
な
)
めましたが、にはかに
怖
(
こは
)
くなつたとみえて、
大
(
おほ
)
きく
口
(
くち
)
をあけて
舌
(
した
)
をぶらさげて、まるで
風
(
かぜ
)
のやうに
飛
(
と
)
んで
帰
(
かへ
)
つてきました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
人は冬をすこし
怖
(
こは
)
がつてゐた、それほど冬は猛烈で手きびしかつた。
冬
(旧字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
淫賣だといふ噂のある娘と相乘で
端艇
(
ボート
)
に乘る位の洒落氣もあるし、段々氣心が知れて見れば、見かけの
怖
(
こは
)
らしい程の事は無く、存外優しくて親切らしいところもあると思ひかけてゐたところだから
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「あの………。」お
糸
(
いと
)
は急に
思出
(
おもひだ
)
して、「
小梅
(
こうめ
)
の
伯父
(
をぢ
)
さん、どうなすつて、お酒に
酔
(
ゑ
)
つて
羽子板屋
(
はごいたや
)
のお
爺
(
ぢい
)
さんと
喧嘩
(
けんくわ
)
したわね。
何時
(
いつ
)
だつたか。
私
(
わたし
)
怖
(
こは
)
くなツちまツたわ。
今夜
(
こんや
)
いらツしやればいゝのに。 ...
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
私は「夜」というものが
怖
(
こは
)
かつた。何故にこんな明るい晝のあとから「夜」といふ厭な恐ろしいものが見えるのか、私は疑つた、さうして乳母の胸に
犇
(
ひし
)
と抱きついては眼の色も變るまで
慄
(
わなな
)
いたものだ。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
其故
(
それゆゑ
)
に
郵便局
(
いうびんきよく
)
に
行
(
ゆ
)
くのは
怖
(
こは
)
いと
云
(
い
)
ふは一
般
(
ぱん
)
の
評判
(
ひやうばん
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その高い
煤
(
すす
)
まじりの
焔
(
ほのほ
)
をもつと
嫌
(
いや
)
がれ
怖
(
こは
)
いと思へ
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
速度の速い、いろんな車が
怖
(
こは
)
くてならぬ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
『
些
(
ちつ
)
とも
怖
(
こは
)
い事はないんですよ。』
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「これやあ、
怖
(
こは
)
くつて通れんわい」
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
「昨日は石を抱かされたとよ、三度も目を廻して、腰から下が
寒天
(
かんてん
)
のやうに碎かれても、口を割らないさうだ、女の剛情なのは
怖
(
こは
)
いぜ」
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「どんな
怖
(
こは
)
いことが起りましたの?」と彼女は云つた。「仰しやつて頂戴! どんな惡い事でもすぐお聞きしなければなりませんわ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
へえゝ
眼
(
め
)
の見えない
中
(
うち
)
は
却
(
かへ
)
つて
驚
(
おどろ
)
きませんでした、
何
(
ど
)
うでも勝手にしねえと
云
(
い
)
ふ
気
(
き
)
が
有
(
あ
)
りましたから、
眼
(
め
)
が
明
(
あ
)
いたら
何
(
なん
)
だか
怖
(
こは
)
くツて
些
(
ちつ
)
とも歩けません。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
老女
(
としより
)
の方が実は
怖
(
こは
)
いのサ」と、松島の
呵々大笑
(
かゝたいせう
)
して盃を挙ぐるを、「まア、お口のお悪いことねエ」とお熊も笑ひつ「何卒松島さんお盃はお隣へ——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
憎らしいとか、
怖
(
こは
)
いとかぢやないの。なんか、かう、すかすかした、興醒めな気持しか起らないのね。どういふんでせう、それが、かうなつたんだわ……。
モノロオグ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
周三は、畫室を出ると、また父に取捕まつて、
首根
(
くびね
)
つこを押へ付けて置いて
極
(
き
)
め付けられるのが
怖
(
こは
)
いのだ。で、
辛
(
しん
)
氣臭いのをおつ
耐
(
こち
)
へて、穴籠と定めて了ふ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「危いの
怖
(
こは
)
いのつて、子供にはうつかりして居られやしない。お末の奴、今朝あぶなく
昇汞
(
しようこう
)
を飲む所さ……あれを飲んで居て見ろ、今頃はもうお陀仏様なんだ」
お末の死
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
も見ずに
迯行
(
にげゆき
)
しが殘りし二人は顏見合せ
怖
(
こは
)
い者見たしの
譬
(
たとへ
)
の如く
何樣
(
どん
)
な人やら
能
(
よく
)
見
(
み
)
んと思へば何分
恐
(
おそろ
)
しく小一町
手前
(
てまへ
)
に
彳
(
たゝず
)
みしが
連
(
つれ
)
の男は聲を
懸
(
かけ
)
寧
(
いつ
)
その事田町
通
(
とほ
)
りを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そりや
怖
(
こは
)
いよ。何も
彼
(
か
)
も怖いよ。そして頭が痛くなる、漠然とした恐怖——そしてどうしていゝのか、どう自分の生活といふものを考へていゝのか、どう自分の心持を
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
神を怖れなかつたソクラテスも、女の舌だけは
身慄
(
みぶる
)
ひして
怖
(
こは
)
がつたといふが、その女のなかで一番皮肉な、
啄木鳥
(
きつつき
)
のやうな舌を持つてゐるのが婆芸者といふ一階級である。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
出はなれたり梅花道人いかにしてか
後
(
おく
)
れて到らず
偖
(
さて
)
こそ弱りて跡へ殘りしならん足は長けれど役には
立
(
たゝ
)
ず長足道
怖
(
こは
)
し馬乘らぬとは此事だと無理を云ふうちオイ/\諸君の荷物を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
旦那さまに安心してゐる奥さまつて、清潔で綺麗ね。善いひとを不幸にするのは
怖
(
こは
)
いわ……
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
本當
(
ほんたう
)
に、
怖
(
こは
)
いもんですね。
元
(
もと
)
はあんな
寐入
(
ねい
)
つた
子
(
こ
)
ぢやなかつたが——どうも
燥急
(
はしや
)
ぎ
過
(
す
)
ぎる
位
(
くらゐ
)
活溌
(
くわつぱつ
)
でしたからね。それが二三
年
(
ねん
)
見
(
み
)
ないうちに、
丸
(
まる
)
で
別
(
べつ
)
の
人
(
ひと
)
見
(
み
)
た
樣
(
やう
)
に
老
(
ふ
)
けちまつて。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
侍童 (傍を向きて)こんな
墓原
(
はかはら
)
に
一人
(
ひとり
)
立
(
た
)
ってゐるのは
怖
(
こは
)
らしい、が、ま、やって
見
(
み
)
よう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
怖
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
“怖”を含む語句
恐怖
怖々
可怖
驚怖
怖気
畏怖
怖毛
物怖
怖怖
空怖
恐怖心
懼怖
恐怖症
怖気立
怖気付
大畏怖
利牙爪可怖
怖氣
怖畏
怖味
...