トップ
>
引込
>
ひつこ
ふりがな文庫
“
引込
(
ひつこ
)” の例文
家
(
いへ
)
は
小路
(
せうぢ
)
へ
引込
(
ひつこ
)
んで、
通
(
とほ
)
りの
角
(
かど
)
に「
蒲燒
(
かばやき
)
」と
書
(
か
)
いた
行燈
(
あんどう
)
ばかりあり。
氣
(
き
)
の
疾
(
はや
)
い
奴
(
やつ
)
がむやみと
飛込
(
とびこ
)
むと
仕立屋
(
したてや
)
なりしぞ
不思議
(
ふしぎ
)
なる。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
牧師は慌てて
杖
(
ステツキ
)
を
引込
(
ひつこ
)
めた。
杖
(
ステツキ
)
といふのは、さる
富豪
(
ものもち
)
の
寡婦
(
ごけ
)
さんが贈つて来たもので、匂ひの高い木に
金金具
(
きんかなぐ
)
が贅沢に打ちつけてあつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
彼
(
かれ
)
は
夏休
(
なつやす
)
み
前
(
まへ
)
から、
少
(
すこ
)
し
閑靜
(
かんせい
)
な
町外
(
まちはづ
)
れへ
移
(
うつ
)
つて
勉強
(
べんきやう
)
する
積
(
つもり
)
だとか
云
(
い
)
つて、わざ/\
此
(
この
)
不便
(
ふべん
)
な
村同樣
(
むらどうやう
)
な
田舍
(
ゐなか
)
へ
引込
(
ひつこ
)
んだのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
所
(
ところ
)
が
仕合
(
しあはせ
)
にもミハイル、アウエリヤヌヰチの
方
(
はう
)
が、
此度
(
こんど
)
は
宿
(
やど
)
に
引込
(
ひつこ
)
んでゐるのが、とうとう
退屈
(
たいくつ
)
になつて
來
(
き
)
て、
中食後
(
ちゆうじきご
)
には
散歩
(
さんぽ
)
にと
出掛
(
でか
)
けて
行
(
い
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
Aの
字形
(
じがた
)
に間口を
引込
(
ひつこ
)
めて建てた大きな家をヌエは指さして、あの妙な
恰好
(
かつかふ
)
の家の理由を知つて居るかと問ふた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
「悪魔……。お前は悪魔だな。何しに出て来たんだ。
引込
(
ひつこ
)
め。打殺すぞ。」
悪魔の宝
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
それはたゞ
一
(
ひと
)
つの
下顎骨
(
かがくこつ
)
でありますが、この
骨
(
ほね
)
は
顎
(
あご
)
が
内側
(
うちがは
)
に
引込
(
ひつこ
)
み、
今日
(
こんにち
)
の
人間
(
にんげん
)
とはよほど
違
(
ちが
)
つてゐますけれども、
類人猿
(
るいじんえん
)
とは
全
(
まつた
)
く
別種
(
べつしゆ
)
であり、もはや
人間
(
にんげん
)
の
仲間
(
なかま
)
であることは
明
(
あきら
)
かであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
と
引込
(
ひつこ
)
ませる、と
水
(
みづ
)
のでばなと
云
(
い
)
ふのでも、お
組
(
くみ
)
はさすがに
武家
(
ぶけ
)
の
女房
(
にようばう
)
、
中間
(
ちうげん
)
の
膚
(
はだ
)
に
着
(
つ
)
いたものを
無理
(
むり
)
に
見
(
み
)
ようとはしなかつた。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「厭になるよ。こんなに身代が肥つて来ちや、今度の邸が出来上つたからつて、
俺
(
おいら
)
の身分として今更あんな
土地
(
ところ
)
にも
引込
(
ひつこ
)
めなからうしさ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『
然
(
しか
)
し
我々
(
われ/\
)
は
隨分酷
(
ずゐぶんひど
)
い
田舍
(
ゐなか
)
に
引込
(
ひつこ
)
んだものさ、
殘念
(
ざんねん
)
なのは、
這麼處
(
こんなところ
)
で
往生
(
わうじやう
)
をするのかと
思
(
おも
)
ふと、あゝ……。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
否
(
いな
)
、
其
(
その
)
二三にしろ
進
(
すゝ
)
んで
實行
(
じつかう
)
にかゝると、
却
(
かへ
)
つてその
爲
(
ため
)
に
費
(
つひ
)
やす
時間
(
じかん
)
の
方
(
はう
)
が
惜
(
をし
)
くなつて
來
(
き
)
て、つい
又
(
また
)
手
(
て
)
を
引込
(
ひつこ
)
めて、
凝
(
じつ
)
としてゐるうちに
日曜
(
にちえう
)
は
何時
(
いつ
)
か
暮
(
く
)
れて
仕舞
(
しま
)
ふのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
窓から
射
(
さ
)
す薄暗い
明
(
あか
)
りの中で厭な姿が二つの大きな鏡へ映る。「大将、だいぶ弱つて居るぢや無いか」と僕の心の中の道化役の一つがひよつこりと現れて
一言
(
ひとこと
)
の
白
(
せりふ
)
を投げた
限
(
きり
)
引込
(
ひつこ
)
んで
仕舞
(
しま
)
ふ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
著述家や学者のやうにいつも書斎にばかり
引込
(
ひつこ
)
んでゐる人達が、
女房
(
かない
)
に好かれないのは大抵かうした
理由
(
わけ
)
によるものである。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と
引込
(
ひつこ
)
ませる、と
水
(
みづ
)
の
出花
(
でばな
)
と
云
(
い
)
ふのでもお
君
(
きみ
)
はさすがに
武家
(
ぶけ
)
の
女房
(
にようばう
)
、
仲間
(
ちうげん
)
の
膚
(
はだ
)
に
着
(
つ
)
いたものを
無理
(
むり
)
に
見
(
み
)
ようとはしなかつた。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
斯
(
こ
)
んな
時
(
とき
)
に六
疊
(
でふ
)
が
空
(
あ
)
いてゐれば、
朝
(
あさ
)
からでも
引込
(
ひつこ
)
む
場所
(
ばしよ
)
があるのにと
思
(
おも
)
ふと、
宗助
(
そうすけ
)
は
小六
(
ころく
)
に六
疊
(
でふ
)
を
宛
(
あ
)
てがつた
事
(
こと
)
が、
間接
(
かんせつ
)
に
御米
(
およね
)
の
避難場
(
ひなんば
)
を
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げたと
同
(
おな
)
じ
結果
(
けつくわ
)
に
陷
(
おちい
)
るので
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
そ
)
の
後
(
のち
)
は
彼
(
かれ
)
は
少
(
すこ
)
しも
外出
(
ぐわいしゆつ
)
せず、
宿
(
やど
)
に
計
(
ばか
)
り
引込
(
ひつこ
)
んでゐた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
で、
男
(
をとこ
)
は
手
(
て
)
を
出
(
だ
)
さうとして、
引込
(
ひつこ
)
めた。——
婦
(
をんな
)
が
口
(
くち
)
で、
其
(
そ
)
の
風呂敷
(
ふろしき
)
の
桔梗色
(
ききやういろ
)
なのを
解
(
と
)
いたから。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
突然
(
いきなり
)
どんつくの
諸膚
(
もろはだ
)
を
脱
(
ぬ
)
いだ
勢
(
いきほひ
)
で、
引込
(
ひつこ
)
んだと
思
(
おも
)
ふと、
髯
(
ひげ
)
がうめ
方
(
かた
)
の
面當
(
つらあて
)
なり、
腕
(
うで
)
の
扱
(
しご
)
きに
機關
(
ぜんまい
)
を
掛
(
か
)
けて、
爰
(
こゝ
)
を
先途
(
せんど
)
と
熱湯
(
ねつたう
)
を
注
(
つ
)
ぎ
込
(
こ
)
む、
揉込
(
もみこ
)
む、
三助
(
さんすけ
)
が
意氣
(
いき
)
湯煙
(
ゆげむり
)
を
立
(
た
)
てて
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さま/″\の
女
(
をんな
)
を
引込
(
ひつこ
)
むのを
術
(
て
)
としたが、
當春
(
たうしゆん
)
、
天氣
(
てんき
)
麗
(
うらゝ
)
かに、
桃
(
もゝ
)
の
花
(
はな
)
のとろりと
咲亂
(
さきみだ
)
れた、
暖
(
あたゝか
)
い
柳
(
やなぎ
)
の
中
(
なか
)
を、
川上
(
かはかみ
)
へ
細
(
ほそ
)
い
杖
(
ステツキ
)
で
散策
(
さんさく
)
した
時
(
とき
)
、
上流
(
じやうりう
)
の
方
(
かた
)
より
柳
(
やなぎ
)
の
如
(
ごと
)
く、
流
(
ながれ
)
に
靡
(
なび
)
いて
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
如何
(
いかゞ
)
ですか、
寢
(
ね
)
られはしますまい。が、
蚊帳
(
かや
)
へは
疾
(
と
)
くに
引込
(
ひつこ
)
みました。……お
宅
(
たく
)
は?」
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
一度
(
いちど
)
、ぶらりと
出
(
だ
)
した
風呂敷
(
ふろしき
)
を、
袖
(
そで
)
の
下
(
した
)
へ
引込
(
ひつこ
)
めて、
胸
(
むね
)
を
抱
(
だ
)
いて、むかうを
向
(
む
)
く。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
けれども
言出
(
いひだ
)
した
事
(
こと
)
は、
其
(
そ
)
の
勢
(
いきほひ
)
だけに
誰一人
(
たれいちにん
)
深切
(
しんせつ
)
づくにも
敢
(
あへ
)
て
留
(
と
)
めやうとするものは
無
(
な
)
く、……
其
(
そ
)
の
同勢
(
どうぜい
)
で、ぞろ/\と
温泉宿
(
をんせんやど
)
へ
帰
(
かへ
)
る
途中
(
とちゆう
)
、
畷
(
なはて
)
を
片傍
(
かたわき
)
に
引込
(
ひつこ
)
んだ、
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
の、とある
祠
(
ほこら
)
へ
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
小
(
ちひ
)
さき
潛門
(
くゞりもん
)
の
中
(
なか
)
へ
引込
(
ひつこ
)
んで、
利口
(
りこう
)
さうな
目
(
め
)
をぱつちりと、
蒋生
(
しやうせい
)
を
熟
(
じつ
)
と
見
(
み
)
て
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「へーい。」と
奴
(
やつこ
)
が、
包
(
つゝ
)
んだ
包
(
つゝ
)
みを、ひよいと
女
(
をんな
)
の
兒
(
こ
)
に
渡
(
わた
)
しながら、
手
(
て
)
を
引込
(
ひつこ
)
めず、
背後
(
うしろ
)
の
棚
(
たな
)
に、
煮豆
(
にまめ
)
、
煮染
(
にしめ
)
ものなどを
裝並
(
もりなら
)
べた
棚
(
たな
)
の
下
(
した
)
の、
賣溜
(
うりだ
)
めの
錢箱
(
ぜにばこ
)
をグヮチャリと
鳴
(
な
)
らして、
銅貨
(
どうくわ
)
を
一個
(
ひとつ
)
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
消
(
き
)
えるかと
思
(
おも
)
ふと、
忽
(
たちま
)
ち
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て、
默
(
だま
)
つて
又
(
また
)
餅
(
もち
)
を
頂
(
いたゞ
)
いて、すつと
引込
(
ひつこ
)
む。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さて、
車麩
(
くるまぶ
)
の
行方
(
ゆくへ
)
は、やがて
知
(
し
)
れた。
魔
(
ま
)
が
奪
(
と
)
つたのでも
何
(
なん
)
でもない。
地震騷
(
ぢしんさわ
)
ぎのがらくただの、
風呂敷包
(
ふろしきづつみ
)
を、ごつたにしたゝか
積重
(
つみかさ
)
ねた
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
の
奧
(
おく
)
の
隅
(
すみ
)
の
方
(
はう
)
に
引込
(
ひつこ
)
んであつたのを
後
(
のち
)
に
見
(
み
)
つけた。
畜生
(
ちくしやう
)
。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
思
(
おも
)
はず
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
して、
唯吉
(
たゞきち
)
は
窓
(
まど
)
から
頸
(
くび
)
を
引込
(
ひつこ
)
めた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
窓
(
まど
)
から
顔
(
かほ
)
を
引込
(
ひつこ
)
ませた。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“引込”で始まる語句
引込思案