“湯煙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆけむり50.0%
ゆげむり25.0%
ゆけぶり12.5%
ゆげ12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
更にまたさまざまの地獄から沸泉ふっせん湯煙ゆけむりを立てて流れて行く水路の底が美くしい碧玉へきぎょくの色に染まっていることを見逃すことは出来なかった。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
突然いきなりどんつくの諸膚もろはだいだいきほひで、引込ひつこんだとおもふと、ひげがうめかた面當つらあてなり、うでしごきに機關ぜんまいけて、こゝ先途せんど熱湯ねつたうむ、揉込もみこむ、三助さんすけ意氣いき湯煙ゆげむりてて
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
壁の根にひざまずき、もの打念ずるさまして、高くてのひらを合わせたものの、白きうなじ湯煙ゆけぶりほぐれて、黒髪の色と分れた時、夫人の目はややれて、その良人の口に、一点煙草たばこの火の燃えつつあるを認め得た。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その頃の湯風呂には、旧式の石榴口ざくろぐちと云うものがあって、夜などは湯煙ゆげ濛々もうもうとして内は真っ暗。しかもその風呂が高く出来ているので、男女ともに中途の階段を登ってはいる。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)