“ゆけむり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
湯煙80.0%
温泉煙20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここは豆南ずなんの一角、海をへだてた大島の御神火ごじんかと対して、町に湯煙ゆけむりのたえない熱海あたみの湯治場。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十五けん間口、十間間口、八間間口、大きな(舎)という字をさながらに、湯煙ゆけむりの薄い胡粉ごふんでぼかして、月影に浮いていて、いらかの露も紫に凝るばかり、中空にえた月ながら、気の暖かさにおぼろである。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婦人は温泉煙ゆけむりの中に乞食こじきのごとく蹲踞うずくまる津田の裸体姿はだかすがたを一目見るや否や、いったん入りかけた身体からだをすぐあとへ引いた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)