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引込
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ひきこ
ふりがな文庫
“
引込
(
ひきこ
)” の例文
して
見
(
み
)
ると、
我
(
わ
)
が
端艇
(
たんてい
)
は、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
印度洋
(
インドやう
)
で
名高
(
なだか
)
い
大潮流
(
だいてうりう
)
に
引込
(
ひきこ
)
まれたのであらう。
私
(
わたくし
)
は
何
(
なん
)
となく
望
(
のぞみ
)
のある
樣
(
やう
)
に
感
(
かん
)
じて
來
(
き
)
たよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
僧が
引込
(
ひきこ
)
んだので三左衛門はそこへ
草履
(
ぞうり
)
を脱いであがった。庵の内には
藁
(
わら
)
を敷いて
見附
(
みつけ
)
に
仏間
(
ぶつま
)
を設けてあったが、それは扉を締めてあった。
竈の中の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
うっとり
地
(
じ
)
の底へ
引込
(
ひきこ
)
まれると申しますより、空へ
抱
(
だ
)
き上げられる
塩梅
(
あんばい
)
の、何んとも言えない
心持
(
こころもち
)
がして、それで寝ましたんですが、
貴下
(
あなた
)
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
受
(
うけ
)
ければ我が家に
引込
(
ひきこ
)
み居たりしに玄柳方より呼びに來りしかば
早速
(
さつそく
)
走り行き四人
打寄
(
うちより
)
又々惡事の相談をなすにお常は聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今時分田舎から都へ出る人はあろうとも、都から田舎にわざ/\
引込
(
ひきこ
)
む者があろうか、
戯談
(
じょうだん
)
に違いない、とうっちゃって置いたのだと云う事が後で知れた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
「仕方ないなどと、今の
積極時代
(
せっきょくじだい
)
に
引込
(
ひきこ
)
んで居られることはありません。私が大使に
強談判
(
こわだんぱん
)
をして……」
戦時旅行鞄:――金博士シリーズ・6――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
京子は芸者に出ていた頃のお客をそのまま
妾宅
(
しょうたく
)
へ
引込
(
ひきこ
)
み、それでも足りない時は知合いの
待合
(
まちあい
)
や結婚媒介所を歩き廻って、結句何不自由もなく日を送っているのを
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
致し方がないから
産落
(
うみおと
)
した女の
児
(
こ
)
を連れて、お熊は深川の網打場へ
引込
(
ひきこ
)
み、門番の勘藏は新左衞門の若様新吉と云うのを抱いて、自分の
知己
(
しるべ
)
の者が
大門町
(
だいもんちょう
)
にございますから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
非人
(
ひにん
)
が
来
(
き
)
て、
死者
(
ししゃ
)
の
手
(
て
)
や、
足
(
あし
)
を
捉
(
とら
)
えて
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
に
引込
(
ひきこ
)
んでしまうのだ、うッふ! だが
何
(
なん
)
でもない……その
換
(
かわ
)
り
俺
(
おれ
)
は
彼
(
あ
)
の
世
(
よ
)
から
化
(
ば
)
けて
来
(
き
)
て、ここらの
奴等
(
やつら
)
を
片端
(
かたッぱし
)
から
嚇
(
おど
)
してくれる
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
家の奥の方に
引込
(
ひきこ
)
んで一切客に
遇
(
あ
)
わずに、昼夜
精切
(
せいぎ
)
り一杯、
根
(
こん
)
のあらん限り写した。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
引込
(
ひきこ
)
まれて、はッと礼を返したが、それッきり。
御新姐
(
ごしんぞ
)
の方は見られなくって、
傍
(
わき
)
を向くと
貴下
(
あなた
)
、
一厘土器
(
いちもんかわらけ
)
が
怪訝
(
けげん
)
な
顔色
(
かおつき
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『それ
此
(
この
)
拳骨
(
げんこつ
)
でも
喰
(
くら
)
へ。』と
大膽
(
だいたん
)
にも
鐵拳
(
てつけん
)
を
車外
(
しやぐわい
)
に
突出
(
つきだ
)
し、
猛獸
(
まうじう
)
怒
(
いか
)
つて
飛付
(
とびつ
)
いて
來
(
く
)
る
途端
(
とたん
)
ヒヨイと
其
(
その
)
手
(
て
)
を
引込
(
ひきこ
)
まして
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ヘエ
何
(
ど
)
うも誠に久しく御無沙汰致しました、御機嫌宜しゅう、田舎へ
引込
(
ひきこ
)
みましてからは手紙ばかりが頼りで、
頓
(
とん
)
と出る事も出来ません、養子の身の上でございますからな
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
門衛も小屋の中に
引込
(
ひきこ
)
んでしまい、あとは西風がわが者顔に、不気味な音をたてて
硝子
(
ガラス
)
戸や柵を揺すぶっていた。湖畔の悪魔は、西風に乗って、また帰ってきたのであろうか。
人間灰
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お前が
愚図々々
(
ぐずぐず
)
云うなら即席に
叩倒
(
たたきたお
)
して先生の処に
引摺
(
ひきずっ
)
て
行
(
いっ
)
て
遣
(
や
)
ろうと思ったその決心が
顔色
(
がんしょく
)
に
顕
(
あらわ
)
れて怖かったのか何か知らぬが、お前はどうもせずに
引込
(
ひきこ
)
んで
仕舞
(
しまっ
)
た。
如何
(
いか
)
にしても済まない
奴
(
やつ
)
だ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
非人
(
ひにん
)
が
來
(
き
)
て、
死者
(
ししや
)
の
手
(
て
)
や、
足
(
あし
)
を
捉
(
とら
)
へて
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
に
引込
(
ひきこ
)
んで
了
(
しま
)
ふのだ、うツふ! だが
何
(
なん
)
でもない……
其換
(
そのかは
)
り
俺
(
おれ
)
は
彼
(
あ
)
の
世
(
よ
)
から
化
(
ば
)
けて
來
(
き
)
て、
此處
(
こゝ
)
らの
奴等
(
やつら
)
を
片端
(
かたツぱし
)
から
嚇
(
おど
)
して
呉
(
く
)
れる、
皆
(
みんな
)
白髮
(
しらが
)
にして
了
(
しま
)
つて
遣
(
や
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
と
話
(
はなし
)
に
紛
(
まぎ
)
れて、
友造
(
ともざう
)
は、こゝに
自分
(
じぶん
)
たちが
不意
(
ふい
)
にめぐり
逢
(
あは
)
うとして、
其
(
そ
)
れがために
同伴
(
つれ
)
の
中
(
なか
)
から
車
(
くるま
)
をはづして
引込
(
ひきこ
)
んだものと
思
(
おも
)
つて
了
(
しま
)
つたらしい。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まアお前
彼方
(
そっち
)
へ
引込
(
ひきこ
)
んで、
私
(
わし
)
が勘弁出来ぬ、本当なればお隅が先へ立って追出すというが
当然
(
あたりまい
)
だが、こういう優しげな気性だから勘弁というお隅の心根エ聞けば、一度は許すが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
出発のときは、胴体から
引込
(
ひきこ
)
み式の三
脚
(
きゃく
)
をくりだして、これによって
滑走
(
かっそう
)
した。そのとき、やはり胴体から
水平翼
(
すいへいよく
)
と
舵器
(
だき
)
が引き出されて、ふつうの飛行機とどうように地上を滑走した。
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
もとより
斯
(
かゝ
)
る
巨魚
(
きよぎよ
)
の
暴
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
ふ
事
(
こと
)
とてとても、
引上
(
ひきあ
)
げるどころの
騷
(
さわぎ
)
でない、
※
(
あやま
)
てば
端艇
(
たんてい
)
諸共
(
もろとも
)
海底
(
かいてい
)
に
引込
(
ひきこ
)
まれんず
有樣
(
ありさま
)
、けれど
此時
(
このとき
)
此
(
この
)
鐵鎖
(
くさり
)
が
如何
(
どう
)
して
放
(
はな
)
たれやうぞ、
沙魚
(
ふか
)
が
勝
(
か
)
つか、
私
(
わたくし
)
が
負
(
ま
)
けるか
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
勝負は時の運に
由
(
よ
)
る、負けても恥かしいことはない、議論が
中
(
あた
)
らなかっても構わないが、
遣傷
(
やりそこ
)
なったらその身の不運と諦らめて、山に
引込
(
ひきこ
)
むか、寺の坊主にでもなって、生涯を送れば
宜
(
よ
)
いと思えども
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「
消
(
け
)
して
下
(
くだ
)
すつた
兵隊
(
へいたい
)
さんを、こゝでも
拜
(
をが
)
みませう。」と、
女中
(
ぢよちう
)
と
一所
(
いつしよ
)
に
折
(
を
)
り
重
(
かさ
)
なつて
門
(
かど
)
を
覗
(
のぞ
)
いた
家内
(
かない
)
に、「
怪我
(
けが
)
をしますよ。」と
叱
(
しか
)
られて
引込
(
ひきこ
)
んだ。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其の時四つになる忰を
後
(
あと
)
に残し、離縁を取って越後の村上へ
引込
(
ひきこ
)
み、二年程過ぎて此の家に再縁して参りましたが、此の
度
(
たび
)
江戸で図らずも十九年ぶりにて忰の孝助に逢いましたが
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
赫
(
かつ
)
と
成
(
な
)
ると、
躍上
(
をどりあが
)
つて、
黒髮
(
くろかみ
)
を
引掴
(
ひツつか
)
むと、
雪
(
ゆき
)
なす
膚
(
はだ
)
を
泥
(
どろ
)
の
上
(
うへ
)
へ
引倒
(
ひきたふ
)
して、ずる/\と
内
(
うち
)
へ
引込
(
ひきこ
)
む。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
幸「へえー、そりゃア何うも思い掛けない事で……何んでげすか、一時は谷中の団子坂下に入らっしゃる事を聞きましたが、それじゃア此の頃では田舎へ
引込
(
ひきこ
)
んで入らっしゃるのですか」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
娘の
情
(
なさけ
)
で内と一所に
膳
(
ぜん
)
を並べて食事をさせると、
沢庵
(
たくあん
)
の
切
(
きれ
)
をくわえて
隅
(
すみ
)
の方へ
引込
(
ひきこ
)
むいじらしさ。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
親父
(
おやじ
)
がやかましいの、どうか閑静な所へ
行
(
ゆ
)
きたいのと、さま/″\の事を云うから、此の別荘に置けば、
斯様
(
かよう
)
なる男を引きずり込み、親の目を
掠
(
かす
)
めて不義を働きたい
為
(
た
)
めに
閑地
(
かんち
)
へ
引込
(
ひきこ
)
んだのであろう
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
娘
(
むすめ
)
の
情
(
なさけ
)
で
内
(
うち
)
と一
所
(
しよ
)
に
膳
(
ぜん
)
を
並
(
なら
)
べて
食事
(
しよくじ
)
をさせると、
沢庵
(
たくわん
)
の
切
(
きれ
)
をくわへて
隅
(
すみ
)
の
方
(
はう
)
へ
引込
(
ひきこ
)
むいぢらしさ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
内々
(
ない/\
)
隣家
(
となり
)
の次男
源次郎
(
げんじろう
)
を
引込
(
ひきこ
)
み楽しんで居りました。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もとの
徑
(
みち
)
を、おも
屋
(
や
)
と
隔
(
へだ
)
てて
廣
(
ひろ
)
い
空地
(
あきち
)
があつて、
追
(
お
)
つては
庭
(
には
)
に
造
(
つく
)
るのださうで、
立樹
(
たちき
)
の
間
(
あひだ
)
に
彼方此方
(
あちこち
)
、
石
(
いし
)
が
澤山
(
たくさん
)
に
引込
(
ひきこ
)
んである。
川
(
かは
)
に
添
(
そ
)
つて
古
(
ふる
)
い
水車小屋
(
すゐしやごや
)
また
茅葺
(
かやぶき
)
の
小屋
(
こや
)
もある。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人間の気を奪ふため、
故
(
ことさ
)
らに
引込
(
ひきこ
)
まれ/\、やがて
忽
(
たちま
)
ち
其
(
その
)
最後の
片翼
(
かたつばさ
)
も、城の石垣につツと消えると、いままで
呼吸
(
いき
)
を詰めた、
群集
(
ぐんじゅ
)
が、
阿
(
あ
)
も
応
(
おう
)
も
一斉
(
いっとき
)
に、わツと鳴つて声を揚げた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
疾
(
はや
)
い
事
(
こと
)
、くる/\と
引込
(
ひきこ
)
んで
手玉
(
てだま
)
を
取
(
と
)
るから、
吃驚
(
びつくり
)
して、
元二
(
げんじ
)
が
引
(
ひ
)
くと
放
(
はな
)
さぬ。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
へい、それ
引込
(
ひきこ
)
め、と
仰有
(
おつしや
)
りますから、
精々
(
せい/″\
)
目着
(
めつか
)
りませんやうに、
突然
(
いきなり
)
蝋燭
(
らふそく
)
を
消
(
け
)
して
來
(
き
)
たでござります。
山
(
やま
)
の
蔭
(
かげ
)
に
成
(
な
)
りますで、
車
(
くるま
)
一
臺
(
だい
)
は
月夜
(
つきよ
)
でも、
一寸
(
ちよいと
)
目
(
め
)
には
着
(
つ
)
きますまいと
思
(
おも
)
ひまして、へい。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
植込を向うへ
引込
(
ひきこ
)
んだ離座敷に、
一寸
(
ちょっと
)
看板を出しました——百もの
語
(
がたり
)
にはつきものですが、あとで、一人ずつ順に
其処
(
そこ
)
へ行って、記念の署名をと云った都合なんで、
勿論
(
もちろん
)
、夜が更けましてから……
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と真顔に
引込
(
ひきこ
)
まれて
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
眞顏
(
まがほ
)
に
引込
(
ひきこ
)
まれて
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“引込”で始まる語句
引込思案