取着とっつ)” の例文
「それにおかねさんの思いに取着とっつかれでもしちゃ大変だ」お島はそう言いながら、自分の箪笥のなかをひっくら返していた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
細々こまごました近所の買がかりに支払をした残りで、彼はまた新しく仕事に取着とっつく方針を案出して、そこに安い家を見つけて、移って行ったのであったが
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
新吉も席を離れて、「あっしのとこもまだほん取着とっつ身上しんしょうで、御馳走と言っちゃ何もありませんが、酒だけアたくさんありますから、どうかマア御ゆっくり。」
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)