“虚々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うか/\66.7%
うかうか33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから日蔭ひかげに生まれた平民の子が急に日向ひなたに出て金箔きんはくを付けられたのがうれしくて、幾らか虚榮きよえい心に眼を眩まされた形で、虚々うか/\と日をくらしてゐた。何時の間にか中學校ちうがくかう卒業そつげふして了つた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
たすくる人はなくとも雪さへきえなば木根きのね岩角いはかどとりつきてなりと宿へかへらんと、雪のきゆるをのみまちわび幾日といふ日さへわすれ虚々うか/\くらししが、熊は飼犬かひいぬのやうになりてはじめて人間のたふとき事を
聴水は虚々うかうかと、わがへ帰ることも忘れて、次第にふもとかたへ来りつ、ある切株に腰うちかけて、霎時しばし月を眺めしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
虚々うかうかとおのれも里のかた呻吟さまよひ出でて、或る人家のかたわらよぎりしに。ふと聞けば、垣のうちにてあやしうめき声す。耳傾けて立聞けば、何処どこやらん黄金丸の声音こわねに似たるに。今は少しも逡巡ためらはず。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)