“うかうか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
浮々60.0%
虚々10.0%
懵々10.0%
虚気々々10.0%
迂闊10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
兄さんは浮々うかうかと散歩をしていて、ふと自分が今歩いていたなという事実に気がつくと、さあそれが解すべからざる問題になって、考えずにはいられなくなるのでした。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
聴水は虚々うかうかと、わがへ帰ることも忘れて、次第にふもとかたへ来りつ、ある切株に腰うちかけて、霎時しばし月を眺めしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
虚々うかうかとおのれも里のかた呻吟さまよひ出でて、或る人家のかたわらよぎりしに。ふと聞けば、垣のうちにてあやしうめき声す。耳傾けて立聞けば、何処どこやらん黄金丸の声音こわねに似たるに。今は少しも逡巡ためらはず。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
段々と無理を致しまして、長い間に懵々うかうか穴を開けましたのが、積り積つて大分だいぶんに成りましたので御座います。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
天満の天神様へ行た、その帰途かえりに、つい虚気々々うかうかと、もう黄昏たそがれやいう時を、寄ってみたい気になって、貴女の餅屋へ土産買う振りで入ったら
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
平素の民弥なら迂闊うかうかと、こんな見知らぬ老人などと、話しなどするのではなかったが、今は心が茫然ぼんやりしている。で、うかうかと話すのであった。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)