トップ
>
浮々
>
うかうか
ふりがな文庫
“
浮々
(
うかうか
)” の例文
君江は自分との関係が
断
(
た
)
えればかえってそれをよい事にして、
直様
(
すぐさま
)
代りの男を見付けて、今と同じように、たわいもなく
浮々
(
うかうか
)
と日を送るに相違ない。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
兄さんは
浮々
(
うかうか
)
と散歩をしていて、ふと自分が今歩いていたなという事実に気がつくと、さあそれが解すべからざる問題になって、考えずにはいられなくなるのでした。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あゝ詰らない/\。斯うして、
浮々
(
うかうか
)
としていて、自分の行末は何うなるというのであろう?」
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
そんなに歩が遅くちゃアとても腹一杯に物を捉え食う事はなるまい、お前ほど
瘠
(
や
)
せて足遅と来ちゃ
浮々
(
うかうか
)
すると何かに踏み殺されるであろう、よしか、一つ足を試して見よう
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
沈着
(
おちつ
)
いた所もなく、
放心
(
なげやり
)
に見渡せば、総て
華
(
はなや
)
かに、
賑
(
にぎや
)
かで、心配もなく、気あつかいも無く、
浮々
(
うかうか
)
として面白そうに見えるものの、
熟々
(
つらつら
)
視れば、それは皆
衣物
(
きもの
)
で、
躶体
(
はだかみ
)
にすれば、見るも
汚
(
けがら
)
わしい私欲
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
つい
浮々
(
うかうか
)
と谷々へ釣込まれて。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それなら何うしようというのではないが、唯何にでも
魂魄
(
こころ
)
が
奪
(
と
)
られ易くなっているから、道を歩きながら、フト眼に留った見知らぬ女があると、
浮々
(
うかうか
)
と何処までも其の後を追うても見た。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
少しは
肉体
(
からだ
)
の処々に冷たい感じをしながら、何という
目的
(
あて
)
もなく、唯、も少し永く此の心持を続けていたいような気がして
浮々
(
うかうか
)
と来合せた電車に乗って遊びに行きつけた新聞社に行って見た。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
浮
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
々
3画
“浮”で始まる語句
浮
浮世
浮標
浮雲
浮彫
浮気
浮木
浮腫
浮上
浮子