“ぼうぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
茫々61.2%
蓬々33.3%
茫茫2.0%
某某0.7%
丰々0.7%
某々0.7%
莽々0.7%
蓬蓬0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかるに「茫々ぼうぼうたる宇宙人無数なれども、那個なこの男児かこれ丈夫」で、天下の大事を負担する豪傑はそう容易に得らるるものでない。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
村中が心を合せて、泥浚どろさらいをせぬ事には、ここの浦は、いまのに干潟になって、やがて、ただ茫々ぼうぼうと蘆ばかりになるぞいの。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
茫々ぼうぼうたる海のはては遠く太平洋の水と連なりて水平線上は雲一つ見えない、また四国地しこくじが波の上にあざやかにえる。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
在から来たらしい屈託そうな顔をした婆さんに低い声で何やら言って聞かしていたが、髪の蓬々ぼうぼうした陰気そうな笹村の顔を時々じろじろと見ていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ふと下の往来を、青い顔して髯や髪の蓬々ぼうぼうと延びた、三十前後の乞食のような服装の男が、よさよさと通って行くのが、耕吉に見下された。
贋物 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
落ち葉はじめじめと朽ちて厚く散り重なって、白茅ちがや青萱あおがやの足の踏み場もないまでにはびこり放題蓬々ぼうぼうとはびこっていた。
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
某夜あるよ、築地の待合まちあいへ客に呼ばれて往った某妓あるおんなが、迎えの車が来ないので一人で歩いて帰り、釆女橋まで往ったところで、川が無くなって一めんにくさ茫茫ぼうぼうの野原となった。
築地の川獺 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
馬車を四馬路スマロに返して杏花楼きやうくわらう上海シヤンハイ一の支那料理の饗応を受けたが、五十ぴんからの珍味は余りにおほきに過ぎて太半たいはん以上のどを通らず、健啖家けんたんか某某ぼうぼう二君も避易へきえきの様子であつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
さあもうこれで用はない——ねえお嬢さん、さぞあなたは残念にお思いなさるでしょうが、それは少々気がよすぎます。しかしあなたのやり口は全く上手なものでした。支那西域の庫魯克格クルツクタツクの淡水湖に限って住んでいる、丰々ぼうぼうという毒ある魚の小骨の粉末こなを香に焚いてそれで人間を麻痺させるなんて実際あなたはお怜悧りこうでした。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『日本紀』の崇神すじん垂仁すいにんの御朝の記事などに、韓人かんじんに命じて某々ぼうぼうの池を築かしめられたことが見える。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
晩秋になると、雑木林の方から枯草莽々ぼうぼうたる私の広い屋敷へ、狸が毎夜遊びにきた。
たぬき汁 (新字旧仮名) / 佐藤垢石(著)
縦が二尺横が一尺で、左の眼は乳房が垂れさがったように垂れて、右の眼は初月みかづきのような半眼はんがん、それに蓬蓬ぼうぼうの髪の毛、口は五臓六腑が破れ出た血にまがわして赤い絵具を塗り、その上処どころ濃鼠こいねずの布で膏薬張こうやくばりをしてあった。
お化の面 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)