“ひざまず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
90.4%
跪坐2.5%
跪座2.0%
1.5%
1.0%
跪拝0.5%
0.5%
膝支0.5%
0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
薄暗い神殿しんでんの奥にひざまずいた時の冷やかな石の感触かんしょくや、そうした生々しい感覚の記憶の群が忘却ぼうきゃくふちから一時に蘇って、殺到さっとうして来た。
木乃伊 (新字新仮名) / 中島敦(著)
若武士などへは眼もくれず、巫女の前へ一斉に跪坐ひざまずいたが、「いざ姫君、お召し下さりませ」
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「南無三、笑った。あの笑いだな」庄三郎は膝を敷きピタリと大地へ跪座ひざまずいた。とたんにピューッと何物か頭の上を飛び越したが、遥か前方の立ち木へ当たりパッと火花をほとばしらせた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この川を一度渡れば、全ての悪業、煩悩ぼんのう、罪障が消えるといわれている。ここを渡れば熊野である。本宮ほんぐう証誠殿しょうじょうでんに参った維盛は、神殿の前にひざまずいた。
そして、実際、それから一時間ばかり経つてから、お母さんはベツドの傍にひざまずいてお祈りをして泣いてゐました。
膳夫は振り向くと、火のついた鹿の骨を握ったまま真菰まこもの上に跪拝ひざまずいた。卑弥呼は後の若者を指差して膳夫にいった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
「王よ。」使部は跪拝ひざまずいた膝の上へ訶和郎かわろを乗せていった。「われは女の言葉に従って若い死体を伴のうた。」
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
すでに事態は急迫以上に急迫していたので、ひざまずいて詳密しょうみつに告げている間もなかった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ずしと鞍からとび降りると、すぐ信玄のまえにひざまずいて告げた。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と作左衛門が善後の処置を建策しているところへ、一人の家士が血相変えてその前へ膝支ひざまずいた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さア、もう一度世の中へ出て参りましょう。その黒髪をのばして、振袖を着て、貴女あなたの美しさを存分に見せて、貴方あなたの前にひざまずく世間を見返してやろうではありませんか」
百唇の譜 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
青眼爺様じいさんは白髪小僧の藍丸王が飲み干した盃を受け取って、傍の小供に渡すと直ぐに又眼くばせをして、六人の小供を皆遠くの廊下へ退しりぞけて、ただひとり王の前にひざまずいて恐る恐る口を開いた——
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)