跪坐ひざまず)” の例文
博士は思わず跪坐ひざまずき、松火を地面へ落としたまま、その一双の耳飾へその眼をじっと注いだのであった。
木乃伊の耳飾 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
若武士などへは眼もくれず、巫女の前へ一斉に跪坐ひざまずいたが、「いざ姫君、お召し下さりませ」
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ひどく予想とちがうからだ。……光明優婆塞ともあろうものが地に跪坐ひざまずいて泣く訳がない」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「恋人の前へ跪坐ひざまずき、恋人のお手々を頂戴し、そのあげくお手々をふんだくられ、ひどい目に会わされるさむらいの、毛唐語だそうでございますよ。云ってみればちょうど拙者のようなもので」
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「また拙者にしてからが、あなたの前では跪坐ひざまずきません」
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と鳰鳥は跪坐ひざまずきながら云った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「おや」と云うと跪坐ひざまずいた。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
甚太郎は突然跪坐ひざまずいた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)