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法會
蓄殖たる趣きを聞て
羨敷存じ私し夫婦も江戸へ
出稼ぎ
度は存じたれども
外聞も惡く彼是
延引致し居中金谷村に
法會ありて九郎兵衞
諸共里を
引又
所持の
鼻紙入が
殺害人の
傍邊に
落て在しと申が此儀は如何なるぞと
糺さるゝに九助は其儀は同日私し儀も金谷村の
法會の
席へ參り居り
混雜の
砌鼻紙入を
深く
憐れみ此人々の爲に
僧を多く
招き同村の寺にて大
法會を
執行なひ村中へは
施行をなし夫れより後傳吉は
倍々其身を
愼み村人を
憐れみければ一村
擧つて其徳を稱し領主よりも
屡々賞詞を