もう)” の例文
しかるに燕王の北平ほくへいを発するに当り、道衍これをこうに送り、ひざまずいてひそかもうしていわく、臣願わくは託する所有らんと。王何ぞと問う。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
世界希覯の多種の貴重生物をして身をかくし胤を留むるに処なからしめて、良好の結果を得たりなど虚偽の報告をたてまつりて揚々たるを厳制されたしともうす。
面倒だから、いっそさよう仕ろうか、敵は大勢の事ではあるし、ことにはあまりこの辺には見馴れぬ人体にんていである。口嘴くちばしおつとんがって何だか天狗てんぐもうのようだ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
真平御免! ともうしたのである。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この稿を続けるに臨みもうし置くは、鶏の伝説は余りに多いからその一部分を「桑名徳蔵と紀州串本港の橋杭はしくい岩」
蛇の形で還っても構わぬか、人の形ではとてもならぬ事ともうすと、ただ一度逢わば満足で、蛇はおろかわが夫が真実還ってくれるなら、糞蛆せっちむしの形でもこちゃいとやせぬと来た。
翌朝使人樹より下り賊の兵器もて群賊の尸に傷つけ、五百馬と宝を収め隣国王に面し、われ君のために群賊をみなごろしにし盗まれた品ことごとく返上すともうす、王人をして検せしむると群賊皆傷つき死せり