“鈍々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どんどん80.0%
のろのろ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
虚勢を抜いて、彼らが、気のついたころには、土肥庄次郎は、その肥えた体を、鈍々どんどんと足早にすすめて、健吉とよぶ侍の後を追っていた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左の手を大太刀の鯉口に当て、右手で自分のあごをツネるような恰好をもちながら鈍々どんどんと道をのぼりかけている。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曇った鏡が人を映すように男は鈍々のろのろと主人を見上げた。年はまだ三十前、ふとじしの薄皮だち、血色は激したために余計紅いが、白粉おしろいとおして、我邦わがくにの人では無いように美しかった。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今になつて考へて見ても随分好い感じのしないひとで、尻の大きい、肥つた、夏時などはそばへ寄ると臭気にほひのする程無精で、挙動ものごしから言葉から、半分眠つてる様な、小児心にも歯痒はがゆい位鈍々のろのろしてゐた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)