ぬる)” の例文
岩のくぼみにたたえた春の水が、驚ろいて、のたりのたりとぬるうごいている。地盤の響きに、満泓まんおうの波が底から動くのだから、表面が不規則に曲線を描くのみで、くだけた部分はどこにもない。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)