もど)” の例文
さりとは氣まゝの仰せに有難うぞんじますと言ひしは覺えで、頓ては車の上に小石川はまだかまだかともどかしがりぬ。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さりとは気ままの仰せに有難うぞんじますと言ひしは覚えで、やがては車の上に小石川こいしかははまだかまだかともどかしがりぬ。
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さりとはまゝのおほせに有難ありがたうぞんじますとひしはおぼえで、やがてはくるまうへ小石川こいしかははまだかまだかともどかしがりぬ。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
庭下駄はくももどかしきやうに、馳せ出でゝ椽先の洋傘かうもりさすより早く、庭石の上を傳ふて急ぎ足に來たりぬ。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
庭下駄はくももどかしきやうに、せ出でて椽先の洋傘かうもりさすより早く、庭石の上を伝ふて急ぎ足に来たりぬ。
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かゝさんれをつても御座ござんすかとたづねて、針箱はりばこ引出ひきだしから反仙ゆふぜんちりめんのはしをつかみし、庭下駄にはげたはくももどかしきやうに、でゝ縁先えんさき洋傘かうもりさすよりはや
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
れ/\羽織はをりすそについてどろるは御存ごぞんいか、あれかさころがる、あれをたゝんでてかけてけばいにと一々もどかしうがゆくはおもへども、此處こゝれが御座ござんす
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あれを疊んで立てかけて置けば好いにと一々もどかしう齒がゆくは思へども、此處に裂れが御座んす、此裂これでおすげなされと呼かくる事もせず、これも立盡して降雨袖に侘しきを
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あれを畳んで立てかけて置けばいにと一々もどかしう歯がゆくは思へども、此処にれが御座んす、此裂これでおすげなされと呼かくる事もせず、これも立尽して降雨袖にわびしきを
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)