われ)” の例文
われと籠を作って籠の中の鳥になって居るのが可笑おかしくもある。但花や果物を無暗にあらされたり、無遠慮なお客様にわずらわさるゝよりまだ可と思うて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
初て死体しがいを見し時の驚きと恐れとは何時いつしか消えて次第に物の理を考うる力もわれかえりしかば余は四辺あたりに在るすべての物に熱心に注意を配り熱心に考え初めぬ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
果ては犬の影され見れば、われところんで、最初から負けてかゝる。それでも強者の歯をのがれぬ場合がある。最早もうりたろうと思うて居ると、今度出る時は、又候またぞろ跟いて来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)