“おのれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オノレ
語句割合
62.8%
16.8%
自己14.1%
自身2.0%
自分1.0%
自家1.0%
0.7%
吾儕0.3%
小生0.3%
吾輩0.3%
我儕0.3%
此儕0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と小声に教えて、おのれは大音に、「赤城様、得三様。」いうかと思えば姿はし。すでに幕のうしろへ飛込みたるその早さ消ゆるに似たり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
又「打ったで済むか、ことに面部の此のきず縫うた処がほころびたら何うもならん、亭主の横面を麁朶そだで打つてえ事が有るか、ふてえ奴じゃアおのれ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私は、然し、主筆が常に自己おのれと利害の反する側の人を、好く云はぬ事を知つて居た。「先方むかうが六人で、此方こつちよりは一人増えたな。」
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
れもまた少しく恐れて、くだんの鯀化、黒面などを呼びよせ、洞ちかく守護さしつつ、自身おのれ佻々かるがるしく他出そとでしたまはざりしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
翌朝つぎのあさ早く起きいでて源叔父は紀州に朝飯たべさせ自分おのれは頭重く口かわきて堪えがたしと水のみ飲みて何も食わざりき。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
むごくもたもとを振払いて、再び自家おのれの苦悩にもだえつ。盲人めしいはこの一喝いっかつひしがれて、くびすくめ、肩をすぼめて
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おのれ凍てて硬ばりし雪か岩角の犬羊歯を打てばしやきりしやきり白き
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
下てもらひに來りし小西屋で今更いまさらにはかに斷りに來のは何とも合點がてんゆかぬと云たるのみにて詮方せんかたなければお光を慰め家へ歸し吾儕おのれも大藤武左衞門に會つてくやみを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夫程におぼめして給はるからは此方も今は推辭いなむすべなし吾儕おのれ承諾しようだく致したが女兒むすめは如何と振返ふりかへり問れてお光は先程より父ときやくとの物語ものがたり昨日見染めた其人は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
心細こゝろぼそ御身おんみなればこそ、小生おのれ風情ふぜい御叮嚀ごていねいのおたのみ、おまへさま御存ごぞんじはあるまじけれど、徃昔そのかみ御身分ごみぶんおもひされておいたはしゝ、後見うしろみまゐらするほど器量きりやうなけれど
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
主從しゆうじうあひだどくなどゝの御懸念ごけねんあるはずなし、おまへさまのおん御病氣ごびやうきそのほか何事なにごとありても、それはみな小生おのれつみなり、御兩親ごりやうしんさまのお位牌ゐはいさては小生おのれなき兩親おやたいして雪三せつざうなん申譯まうしわけなければ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
問合せ再回ふたゝび御縁ごえんむすばる樣致しますれば暫時く吾輩おのれにお預け下されませと思ひ入りてぞわびけるに長三郎は面を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
やはらげ夫ほどまでに云なりせば此回このたびは許しつかはす可ければ今日よりして五日の中にもし病氣有る物ならば有とぞ云るたしかな證據を取て其むね吾輩おのれに云ね又無時には縁談えんだん再回ふたゝびむすびて高砂たかさご
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
洩さずにく知る人はありやなしやと思うがまゝ我儕おのれが日ごろおぼえたるかの八橋やつはし蜘手くもでなす速記法ちょうわざをもて圓朝ぬしが口ずからと滑らかに話しいだせる言の葉を
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
拜見はいけん致し汗顏かんがんの外は之なく候へば此二包は持歸り主人にとくと申し聞候なればお立腹りつぷくをと云ば武左衞門おもて和柔やはらげいやとよ此儕おのれ心志こゝろざしの徹らばいかいかる可き然ども折角せつかく持參せし金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)