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小生
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おのれ
お
心細き
御身なればこそ、
小生風情に
御叮嚀のお
頼み、お
前さま
御存じはあるまじけれど、
徃昔の
御身分おもひ
出されてお
痛はしゝ、
我れ
後見まゐらする
程の
器量なけれど
主從の
間に
氣の
毒などゝの
御懸念ある
筈なし、お
前さまのおん
身に
御病氣その
外何事ありても、
夫はみな
小生が
罪なり、
御兩親さまのお
位牌さては
小生が
亡兩親に
對して
雪三何の
申譯なければ
誰れにもあらず、
松野雪三即ち
斯くいふ
小生